地域を元気にする“人“も道の駅のたからもの
いろいろな思いを胸に、道の駅で働く人たち。地域を盛り上げる大事な役割を担う道の駅では、駅長をはじめ、若手や移住者も活躍している。どんな思いがあるか、聞いてみよう。
駅長から移住者へ受け継がれる地元愛 道の駅から地域を盛り上げる!
「道の駅 土佐さめうら」の和田さんは、駅長として活躍し、12年目のベテラン。「道の駅から土佐町を元気にしたい」と、嶺北地域の名産「土佐あかうし」の牛串の販売や、手ぶらで楽しめるBBQといった取り組みを展開し、道の駅を年間6万8000人が訪れる観光拠点に成長させた。
そんな和田駅長に影響を受けたと話すのが、移住者でデザイナーの橋さん。移住してすぐに、地域活性化に関する集まりで二人は意気投合。和田駅長の「土佐町愛」も、橋さんにしっかりと受け継がれ、観光客のために民泊を始めたり、閉館していた地元の旅館の再生プロジェクトに参画したりと、地域の盛り上げ役として活動している。
そんな二人の思いが形になったものが道の駅のオリジナルトートバッグだ。「ここにしかない商品を作りたい」という和田駅長の思いに、「それならみんなが使えるトートバッグはどうだろう?」と考えた橋さんがデザインし、商品化。「これからも道の駅を充実し、土佐町を活性化させて、ゆくゆくは町の人口を増やしたい」と語り合う二人。同じ夢に向かって挑戦を続けていく。
オリジナルのトートバッグは、なんと全部で10種ほど! 道の駅には他にもいろいろな作家の商品が所狭しと並んでいる。
3月から11月の土日祝日には、地域を訪れた人に気軽に味わってもらおうと、道の駅で焼く「土佐あかうし牛串」も登場する。
地域経済に貢献するため 住民と協力しながら
誰からも愛される道の駅に
「駅長っていうのは肩書きだけで、私はみんなに支えられてばかりなんです」と話すのは、「道の駅 東洋町」の三瓶駅長。現在28歳の移住者だ。もともと「地域経済に貢献できるような仕事がしたい」という思いがあり、縁があって東洋町へ。知らない土地でやっていけるか不安もあったが、「家に招いてくれるなど、地域の皆さんが温かく迎え入れてくれました」と移住してからの生活を振り返る。今では、休日を近所のおじいちゃんと過ごすほどのなじみっぷりだ。
そんな三瓶さんが大切にしているのが「地元で手に入れた、地元の食材を食べてほしい」という思い。生産者の野菜を並べたり、道の駅同士のつながりを生かして高知県産の商品を仕入れたりと、車で20分かかる町外のスーパーに行かなくても、地元で買い物が完結できるように売り場を充実させた。「売り場にスイーツコーナーを設けたら、地元の方が積極的に出品してくれるようになったんです」。新しい取り組みに協力的な地元住民がいることも心強い。「『ここで働きたい』と思ってもらえる道の駅にすることが、今の私の目標。そのうえで、地域内外の方から愛してもらえる道の駅にしていきたいです」と、目を輝かせている。
甲浦(かんのうら)港でその日に水揚げされた魚を、鮮魚店がさばいて道の駅の店頭へ。旬の海の幸を目当てに、毎年訪れるリピーターも。
令和6年8月に道の駅に登録されたこちら。白浜海水浴場とキャンプ場が隣接しており、カツオの藁焼き体験も提供して いる。
もっと知りたい!おまけのとさぶし〜誌面には載らなかったこぼれ話〜
道の駅 東洋町
地元民もうれしい!本マグロの水揚げ
その日の朝に水揚げされた、新鮮な魚が多く並ぶ「道の駅 東洋町」。地域住民でもなかなかお目にかかれないという本マグロは、取材に訪れた際には入荷がなかったものの、後日入荷されたとの知らせが! 地元の主婦である従業員が慣れた手つきで捌き、贅沢な本マグロの刺身定食と、本マグロの丼に仕立ててレストランで提供し、大変好評であったとのこと。