道の駅の「あの味」に会いに〜後半〜

道の駅の「あの味」に会いに〜後半〜

あの道の駅のあの味…。思い出したら無性に食べたくなってしまうたからものには、ワケがある!
話題の逸品を訪ねて、その誕生秘話を聞いてみると、その地域ならではの食文化があった。

濃厚ヘルシーなお山の担々麺
津野町の里芋が、地元の連携で絶品の担々麺に!

令和4年に誕生して以来、「道の駅 布施ヶ坂」で話題の「里芋担々麺」。濃厚かつクリーミーな味わいながら、ヘルシーな里芋が主役とあって、リピーターを続々と生み出している。もともと津野町の特産品だった里芋だが、規格外のものを活用しきれていないという課題があった。そこに目を付けたのが、津野町役場と道の駅、そして地元の事業者である「満天の星」の三者。「里芋に新たな価値を」と、アヒージョや缶詰など、次々に新商品を誕生させたそう。ペースト状にした里芋を使ったポタージュまで開発が進んだところで、ラーメンを愛する「満天の星」社長、竹村典徳(たけむらふみのり)さんの発想が融合し、見事、この担々麺が誕生。道の駅の店長、久川さんも「津野町の特産品をたっぷり使った自信作を、観光客や地元の方に知ってもらえて嬉しいです」と胸を張って提供している。

昔から「タイモ」とも呼ばれて親しまれてきた里芋。連携する津野町役場もPRに励んでいる。

道の駅布施ヶ坂 久川伸行店長

〜コラム〜
美味しいものを届ける、地元民を育てること

 「どの道の駅もかわいい我が子みたい。プロデュースを離れても、やっぱり気になりますよ」。そう話すのは、数々の道の駅で名物グルメを生み出してきた大原さん。地元ならではの美味を作り出す秘訣は、レシピはもちろん、実は地元民を育てることにあるという。「名物グルメが結果だとしたら、目標となるのは地元との信頼関係を築くことです」。実際、「大原さんと出会って人生が変わった」と嬉しそうに話す人も少なくない。名物の味の影には、料理人として成長した地元民がいることにも思いを馳せてみたい。

フードプロデューサー 大原一郎さん

もっと知りたい!おまけのとさぶし
〜誌面には載らなかったこぼれ話〜

道の駅 布施ヶ坂
「道の駅 布施ヶ坂」に津野町産の野菜が多いわけ

「道の駅 布施ヶ坂」の店内外に並ぶたくさんの野菜。手がけているのは町内の生産者で、その多くが小規模農家ということもあり、収穫後の余った野菜が課題となっていた。そこで町内26か所に小屋を設置し、農家が出荷先を選べる3色の籠を用意。オレンジは道の駅、黒はレストランや菓子製造などを手がける「満天の星」などに仕分けられ、毎朝回収する仕組みを整えた。売上が農家の励みとなり、津野町全体の活気にもつながっているという。