棚田に、心に、火を灯せ!

貝ノ川棚田キャンドルまつり

2018.10.20

棚田キャンドル

伝統に光をかざして…

貝ノ川地区では400年以上続く棚田での米作り。高齢化、後継者不足などの問題を抱える中、まずは人に来てもらえるきっかけをつくろうと、地形を生かした「キャンドルまつり」が始まった。「

最初は何もかもが手探り。なんとか2000個程のペットボトルをかき集め、一部の棚田にあかりを灯すところから始まり、回を重ねるごとに協力者が増加。今ではキャンドルの数も5000本になりました」と語るのは、棚田保存会会長の大﨑正さん。

伝統芸能から始まったステージショーも、ファイヤーダンスや、人気グループによるミニライブを組み込んだ、世代を超えて楽しめる内容へと変化。中には、ライブ目的で貝ノ川を訪れ、そのままボランティアとして棚田の保全活動に参加してくれるようになった人もいる。そうして、絶景スポットとしての知名度が高まるほどに、貝ノ川地区を訪れる観光客も増えた。

次の一歩へと…

最初の目的である「人に来てもらうこと」が実現できた今、次に目指すは「後継者を増やすこと」。その一歩を踏み出すべく、平成24年には棚田オーナー制度をスタート。オーナーによる金銭的な支援を受けながら保全活動を進め、さらに後継者育成のため、オーナー自身にも田植えから収穫まで、米作りのノウハウをレクチャーする活動を行っている。また、貝ノ川地区の魅力を伝えるため、定期的にオーナーと地元農家の人々の交流会も開かれており、大人同士の交流はもちろん、地元の子どもたちとオーナーの子どもたちが一緒になって遊ぶ姿を見かけることも多くなってきた。キャンドルに灯された小さな火をきっかけに、地元の人々の胸に灯る「棚田を守りたい」という気持ちが、訪れた人々の心に分火され、繋がり始めている。

冬の夏祭りは住民の底力の集結!

あかおか冬の夏祭り

2018.12.1・2

冬の夏祭り

きっかけは一人の学生

この町に若者を呼び込みたい…。 学生のそんな熱い想いに賛同した住民と学生らの手により、赤岡の冬に「夏祭り」が生まれた。春には「どろめ祭り」、夏には「絵金祭り」がある赤岡の町にもう一つ、住民が一丸となれる場が生まれた瞬間だった。祭りのテーマは毎年変わる。「まちは劇場」「あかおかじるし」「冬の夏祭り全員集合」など、来る人の想像力を掻き立てるものばかり。「ここにしかない赤岡らしさを観てもらうため、まちを劇場にみたてたんです」と当時を知るのは実行委員の間城紋江さん。施設や建物は舞台の小道具となり、住人はそれぞれの持ち場で主役を演じる。

 

例えば祭り当日、銀行は「あかおか通貨」の両替商を出し、空き家は「赤岡探偵事務所」や「映画館」など住民らの自由な発想で様変わり。道路にはコタツが置かれ、住民は思い思いのスタイルに仮装、そこには筋書きのないドラマが生まれる。今年は、地元の城山高校が開発した特産のちりめんじゃこを使ったオリジナル商品が販売される予定。

老若男女が団結して…

「こんなものがあったらいいな」を次々に実現していく楽しそうな大人達の姿に、子どもたちも感化されてか、祭が近づくと学校では「冬の夏祭り授業」まで行われるようになった。そんな摩訶不思議な祭りに魅了され、我らも参加したいと、いつしか全国各地から「お助けマン」なる存在まで現れるように。子どもから大人まで住民自らが全力で楽しみ、そして訪れた人を心を込めてもてなす。老いも若きも皆がそれぞれの役割を担い、運営の大変さやトラブルもエネルギーに変えてきたこの冬の夏祭りは、今年で24年目を迎える。継承されているのは、商業施設や建物を造る町おこしではなく、そこに住む人の息づかいや、ここにしかないものを生かし続ける住民の底力だ。