「おらんくのサマーセミナー」でこどもをセンセイに!

「おらんくのサマーセミナー」でこどもをセンセイに!

「サマーセミナー」は誰でも「センセイ」、誰でも「セイト」に なれる学校ごっこ。地域から集まった中学生・高校生や市民が 「好きなこと」や「推し」を講義する、夏限定の学び場が開かれる。

サマーセミナー-画像
教室の教壇に立つ学生の「センセイ」。8月18日の室戸セミナーでは、全49コマの授業が開かれ、様々な地域から訪れた742人の「セイト」が聴講した。
イベントは高知大学や室戸高校の生徒らが主体となった実行委員会が企画。
教える楽しさも 難しさも学んだ夏休み

 令和5年に四国で初めての開催が叶い、地域の新しい学びの場として注目を浴びた「おらんくの室戸大学〜サマーセミナー〜」が、今年も室戸高校で実施された。このセミナーは地元の中学生・高校生や市民が、自分の〝推し〟を講義する「センセイ」として、また授業を聴講する「セイト」として参加できるイベン ト。中学生・高校生が教える側の経験を積んだり、市民が趣味について語ったりするなどユニークな展開が魅力となっている。実行委員長の宝金さんは「主体的に学ぶ楽しさや、地域のことをよく知る機会を共に創造していきたい」と話す。「地域の人たちと一緒に学ぶ」という体験が、地域に新たなつながりを生み出し、地域の結束が強化されることも期待されている。

セミナーは5時間授業の時間割。学生がセンセイを務める教室では、「つまみ細工体験」や「防災」をテーマにした講演など地域性を感じる授業も。
「難しかった」との感想が多かった「センセイ」役。教え方や言葉選びの大切さを学ぶ経験となった。
こども先生が行なった授業

・みんなで作ろうつまみ細工
センセイは室戸高校ホームメイド部で、布で花を作る「つまみ細工」教室を開講。キーホルダーや髪飾りなどを作成した。

・室戸市の防災について考える
新潟県糸魚川市を訪問したことをきっかけに、防災に対する意識が高まった高校生。専門家と一緒に室戸の防災を考えた。

・名作ゲームから学ぶ「文永の役」
「文永の役」の対馬を舞台としたゲームソフトを活用し、中学生が教科書には書かれていない武士の歴史ロマンを熱弁。

認知症って?
高校生が、劇やVR(仮想現実)ゴーグルを活用し、認知症患者の幻症状を体験できる授業を展開。

・中学生が語る「軍艦史」
世の中に軍艦が生まれ、近代に至るまで、軍艦はどう変化していったのか? 軍艦史の変遷を中学生が詳しく解説。