道の駅の「あの味」に会いに〜前半〜

道の駅の「あの味」に会いに〜前半〜

あの道の駅のあの味…。思い出したら無性に食べたくなってしまうたからものには、ワケがある!
話題の逸品を訪ねて、その誕生秘話を聞いてみると、その地域ならではの食文化があった。

田舎味噌の風味がたまらん!
オール四万十町のこだわり名物豚丼

「畜産の町らしい名物を作ろうと、今から10年以上前にできた豚丼なんです」と教えてくれたのは、創業当時から「道の駅 あぐり窪川」で働いており、現在は駅長を務める武内さん。この丼を食べにはるばる遠方からやってくる常連客も珍しくないという。もともとメニューにあった「みそ漬け定食」をアレンジして作られたもので、その時から味付けに使われていたのが四万十町の「じんさい味噌」。こちらは地元で半世紀以上の歴史がある「じんさい味噌組合」の主婦グループが手がけており、「仁井田米」と「窪川大豆」を使った味わい深い田舎味噌。町内の給食にも使われていることから、子どもの頃からこの味に親しんできた町民も多い。「四万十ポーク」の下に隠れるご飯も、もちろん仁井田米と、まさしく「オール四万十町」のこだわり豚丼。「四万十ポークどんぶり街道」の盛り上げ役として愛されている。

四万十町神ノ西(こうのさい)の主婦グループが作り始めた、じんさい味噌。道の駅でも購入できる。

道の駅あぐり窪川
武内寿典 駅長

干物を揚げた海の町のご馳走
海辺の町ならでは逸品サバカツ

青く澄んだ太平洋が目の前に広がる、黒潮町の「道の駅 ビオスおおがた」。その食事処「ひなたや食堂」で根強い人気を誇るメニューが、「サバカツ定食」だ。こちらのサバカツ、なんと一度干物に加工されたものを使用しており、ひと口頬張れば、旨みがぎゅっと凝縮されたサバの味わいに思わず驚くほど。この「干物を揚げ物にする」というアイデアは、食堂に長く勤めた元板長が考案したもので、使用している干物も、その元板長の実家である黒潮町の港町、田野浦の海産加工会社が作り続けてきたもの。サバカツ定食は、厨房で手間をかけて一本一本骨抜きするため数量限定のメニューだが、田野浦産の干物は道の駅の売り場にも並んでおり、地元民はもちろん、観光客などにもファンが多い。このサバカツ定食は、肉よりも海産物が身近な海辺の町だからこそ生まれたたからものなのかもしれない。

歯応えのある衣に包まれた、ふっくらしたサバの身。海の旨みがぎゅっと詰まっている。
※サバカツ定食は土曜、日曜限定の提供ですが、提供が無い場合もあります。事前のご確認をおすすめします。

道の駅ビオスおおがた
ひなたや食堂 厨房スタッフ
徳増達宏さん

道の駅にある旬のたからもの!

完熟苺(12月~5月頃)
道の駅 なかとさ

地元のいちご農家が手がけた種まで赤い「完熟苺」は、道の駅でも大人気!

山菜(2月下旬~5月)
道の駅 布施ヶ坂

余すことなく食べられるうどや、渓流沿いに育つ葉わさび、「山菜の王様」とも呼ばれるタラの芽など、春になると津野町の自然で育った山菜が並ぶ。

まほろばトマト(2月~5月)
道の駅 南国風良里(JA高知県 風の市)

水やりを控え、減農薬で栽培される。トマト本来の甘みと豊かな風味が特徴。

天然なまず(4月~10月)
道の駅 四万十とおわ、道の駅 よって西土佐

四万十川の天然なまずは上質な白身が特徴で臭みがゼロ。フライにすると美味しさが際立つ。

グリーンレモン(6月中旬~9月上旬)
道の駅ビオスおおがた

海風のミネラルを受け、風味豊かなグリーンレモンは黒潮町の名産。

エメラルドメロン(6月~7月)
道の駅 やす

夜須町特産のエメラルドメロンは道の駅でも大人気。食べ頃を売り場で教えてもらえる。

かりかり桃子(7月中旬頃)
道の駅 美良布

幻ともいわれる桃で、かわいらしいその名の通り、独特の食感が特徴。

四方竹(10月中旬~11月上旬)
道の駅 南国風良里

南国市白木谷が名産地。旬の時期になると採れたてのものや土佐煮にした加工品などが並ぶ。

自然薯(11月下旬~1月中旬)
道の駅 田野駅屋

強い粘りが特徴。採れたてが並ぶので香りが強く、天ぷらやお好み焼きにしても美味。

本マグロ、マンボウ(12月〜2月)
道の駅 東洋町

地元でも滅多にお目にかかれない本マグロ。脂がのった「本ヨコ」と呼ばれる本マグロの子もおすすめ。マンボウは近くの漁港で水揚げされた時にだけ並ぶ。

もっと知りたい!おまけのとさぶし
〜誌面には載らなかったこぼれ話〜

道の駅 あぐり窪川
地元愛にあふれたスタッフお手製のポップ

「道の駅 あぐり窪川」の直売所「農家のフリーマーケット」で場の雰囲気をより楽しげに演出しているのが、スタッフお手製のポップ。パッと目を引くロゴや可愛らしいイラスト、実際に使ってみた感想などが自由に書かれており、思わず足を止めて見入ってしまう。生産者の方が大事に手がけたものをお客さんに伝えたいという、熱意と地元愛がしっかり伝わる手書きポップにもぜひ注目してみて。