里山に生きる和ハーブ

TOSAスパイスの世界を知るために欠かせないのが、里山に自生する和ハーブ。恵まれた自然環境の存在が見えてくる。

厳しい環境で育つ和ハーブの世界

古来から里山に自生し、人々の暮らしや健康を支えてきた有用植物、和ハーブ。奇跡の清流とうたわれる仁淀川水系が流れる、高知県いの町の小川柳野には、そんな和ハーブが、なんと500種類以上も生息している。

教えてくれたのは、「土佐和ハーブ協会」の松岡さん。もともとは製薬会社で、アンチバイオティクスを研究していたが、「幼少の頃に親しんだ山野草や薬草を通して、プロバイオティクスを目指したい」と、日本各地を巡る旅へ。やがて自然豊かな高知と出会い、とりわけ豊富な和ハーブが生息する、小川柳野に魅せられて移住を果たした。

「石灰岩と蛇紋岩が入り混じったこの地は、植物が生育するには厳しい地質です。でも和ハーブにとっては、それがいいんです」と松岡さん。厳しい環境でも育つ和ハーブのみが、この地に適合し、豊富な有用成分をもたらしてくれるという。

「土佐和ハーブ協会」では、和ハーブの生産・販売のほか、和ハーブの知識や活用方法などを広める講演やワークショップも開催。近年では、いの町にある「水辺の駅 あいの里」の食堂で、和ハーブを使ったメニューも提供している。知られざる和ハーブの世界をのぞいてみてはどうだろうか。

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松岡さんの畑には、和ハッカやマタタビ、カキドオシ、ナギナタコウジュなど、さまざまな和ハーブが自生する。

「水辺の駅 あいの里」の仁淀川をのぞむ食堂では、「野草天ぷらそば」や「和ハーブスープ」なども提供している。写真右は、クラフトコーラ「sawachina」の素材にも使用されている「ヤブニッケイ」。

自然の力で和ハーブを栽培する松岡さん。ときどき人の手も加えながら、元気な和ハーブを育てている。

高知らしいスパイシーさ
クラフトコーラが誕生!

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令和2年、和ハーブも素材のひとつに、さまざまな高知食材などを素材にクラフトコーラが誕生した。手がけたのは、小野義矩(おのよしのり)さん。平成29年に神奈川県から高知県いの町に移住し、スポーツイベントのプロデュース等を行っている。

四国初のクラフトコーラ「sawachina」は、「高知の美味しい食材や文化を、多くの人に伝えたい!」という思いから開発。文旦やユズ、有機ショウガなどを組み合わせ、高知らしいスパイシーな味わいに仕上げている。煮出した後の残滓(ざんし)をあえてシロップに戻していることも特徴のひとつ。

素材をまるごと噛みながら喉を潤し、スパイシーで爽やかな余韻に浸る…。TOSAスパイスの最新版だ。

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