さまざまな映画でロケ地や作品の舞台になった高知県。 地元住民だから分かる、感慨深いシーンも!? 昭和、平成、令和、それぞれの時代に撮影された映画を、 思い入れを持つ県民の声と合わせて紹介します。
祭りの準備
(昭和50年 ©東宝)
当時の高知県中村市(現四万十市)を舞台に、シナリオライターを夢見る若き青年たちの深い青春群像劇を描いた名画。脚本は、原作者で同地で育った中島丈博が務めた。
夢を持つことをあきらめた人間に「祭り」は訪れない
「祭りの準備」に出会ったのは東京で不安な浪人生活を送っていた頃。「しっかりしろ」と思いっきり頬を張られたような衝撃でした。故郷のしがらみを断ち切って旅立つ主人公に自分が重なり、窪川駅で原田芳雄演じる中島利広にバンザイで送り出されるラストシーンでは涙が止まりませんでした。大学で自主映画制作に没頭し、放送局に職を得たのも、この映画が一つのきっかけだったかもしれません。公開から半世紀近く経ちますが、私にとって「祭りの準備」は色あせることのない永遠の青春映画です。
高知市/株式会社エフエム高知 代表取締役社長
小松 健さん
パーマネント野ばら
(平成22年 © 2010映画「パーマネント野ばら」製作委員会)
片田舎の漁村にある美容院「パーマネント野ばら」。離婚や孤独を経験しながら、たくましく生きる女性たちのドラマが繰り広げられる。高知県宿毛市がロケ地になった。
エキストラとして映画に参加! 今も色あせない思い出に
撮影当時、役場の方から「エキストラを募集していて、映画に参加できるかも」と聞いたのは、今からおよそ14年前のこと。主演の菅野美穂さんにも会いましたし、なんと私が営んでいる焼肉店まで、映画のロケ地になったんです。宿毛駅には今でも映画の立ち看板があって、色あせない思い出です。
宿毛市/焼肉かなざわ 店主
金澤 暁美さん
宇宙人のあいつ
(令和5年 ©映画「宇宙人のあいつ」製作委員会)
兄弟のひとりになりすまして暮らしてきた宇宙人が、地球を離れることになった最後の3日間、家族のために奮闘するヒューマンドラマ。
高知の景色だからこそ撮れた 色濃いファミリードラマ
撮監督の飯塚健さんをロケハンにお誘いしたことが、この映画が高知で撮影されるきっかけになりました。コメディでありファミリードラマでもある物語の一方、宇宙人が登場するという壮大さもあって、まさに高知の景色がぴったりとはまりました。たくさんの地元の皆さんにご協力を頂いた作品です。
高知市/映画プロデューサー
古味 竜一さん