土佐の業 日々脈々【庭づくり】「濵氏 広己さん」

土佐に息づくさまざまな職人ワザ。

伝統の傍らに、 常に新しい展開があることも、 土佐らしい特徴の一つだ。

今回は、造船所をテーマに、 土佐の業を探訪!

暮らしと自然が調和した庭づくり

 昭和35年に、当時の葉山村(現在の津野町)で創業した「葉山庭園」。伝統的な日本庭園を手掛ける庭屋として、個人宅だけにとどまらず、オフィスビルや公園といった幅広い現場で造園工事を行ってきた。現在、番頭を務めるのは、 わるのは、庭を生活空間に溶け込んだ佇まいにすること。家で以前から使われていた石や瓦を資材に再利用するなど、暮らしの中に自然を調和させていく。「僕らが扱っているのは植物という生き物。限られた空間で、向き・高さ・位置などに注意して、10年以上先の姿を見据えた庭づくりをしていきたい」と笑顔で話す。

創業者から受け継がれる鉈をはじめ、キリバシや剪定鋏など、植物や立地に合わせて使いこなす。新潟県の老舗染物屋が手がけた藍染めの法被も、長年共にしてきた大切な存在。

施工をスムーズに進めるためには、段取りも欠かせない。実際に現場へ赴き、監督など全体のマネジメントを行う。

樹木の健康状態に合わせて、伐採や修復などを提案。樹木医とも連携して、木の状態を数値化しながら施主に提案することも。

剪定した木の切り口には、乾燥防止や殺菌の効果がある癒合剤を塗る。炭を配合しているため、色は黒く、自然に溶け込むよう配慮している。

樹木や資材の販売も行い、樹木の植え替えや芝貼りなど、好みや希望に合わせて庭をリメイクすることができる。