土佐の業 温故知新【書店員】「亥角理絵さん」

高知を代表する書店の変わらぬ心構え

 高知県民なら誰もが知るだろう、帯屋町の老舗書店「金高堂」。店長を務める亥角理絵さんは、創業者である祖父と、店舗拡大に奔走する父親の姿を見て育った。「父は、高知と東京を往復する生活。大手出版社や出版取次会社との会議には、欠かさず顔を出していました」と理絵さん。そのため「高知を訪れたら金高堂に」と足を運ぶ関係者も多い。全国の書店にも 劣らぬ本の流通を高知県で実現した、その功績は大きい。  

店長ながら、大好きな書店の売り場で働く理絵さん。新しい本を手に取りながら、どんなふうに売り場に出そうか考える。「何かオススメない?」というお客さんの声に、いつでも応えられること。今も昔も変わらない、老舗書店の心構えだ。

売り場づくり売り場づくりのモットーは「しわく(※土佐弁で「しつこく」)、長く!」。この姿勢から生まれた書店のロングセラーもあり、写真の帯にもある通り、全国でこの本を一番売った書店になっている。5年連続で、今なお記録更新中だ。

ポスター

業1

書店に着けば、まず目に飛び込んでくるのが大きなポスター。高知県出身の作家の新刊や、話題の書籍を伝える。

手書きポップ

業2

手書きのポップは、描き手の個性が光るもの。亥角さんはイラストも織り交ぜながら下書きなしで描き上げてしまう。

書店入口

業3

書店の入り口には、高知県に関連する書籍や、それに付随する雑貨なども展開。地元への読者の関心を高める。

座り読み

業4

「まずは本を身近に感じてほしい」と、立ち読みならぬ「座り読み」を誘う椅子をたくさん設置している。