今も暮らしの中にある
やんちゃな川ガキ時代の懐かしい記憶…
暑くなれば仁淀川で毎日のように遊ぶ子どもたち。彼らは昔「川ガキ」と呼ばれた。水中ゴーグルを着けて泳いだり、もりや網で魚を捕まえたり、沈下橋や岩場から飛び込んだり。
川ガキたちにとって、仁淀川はワクワク・ドキドキ・ハラハラの連続。自然がフィールドのテーマパークそのものだった。朝から日暮れまで一日中遊んでも飽き足りず、また次の日も、その次の日も。飽きもせず川へと向かう。
「昔の川ガキたちには共通する思い出がいくつかある」と話すのは「仁淀川国際水切り大会」の代表、生野宜宏さん。1つ目は、年長の兄や姉について遊びに行った思い出。川ガキの世界にはナワバリなんてものはなく、年齢・性別・地域分け隔てなく一緒になって遊んだこと。
2つ目は、溺れそうになった思い出。大抵の川ガキは「一度は溺れたことがある」と地域の人たちは口々に話す。川でのいろんな体験を通して、子どもたちは誰に教わらずとも、遊びの中で身体と精神を養ったもの。川ガキ出身の大人たちにとって、仁淀川の川原や渓流で遊んだ思い出は、心の中の原風景。今も暮らしの中にある。
水切りしたり、魚を突いたり、岩から飛び込んだり…
仁淀川はまさに「遊び」の宝庫! 川で遊んだことのある
人ならきっと共感できる、川ガキたちの遊び方を紹介。
水切り
仁淀川に来たら、思わず始めてしまう水切り。川原の石を投げて川面を跳ねさせるこの遊びは、仁淀川ではスポーツにもなっており、毎年「仁淀川国際水切り大会」が開催されている。
箱めがねで水中探検
今も昔も川ガキに欠かせないアイテム「箱めがね」。底のガラス面を水中に浸けて覗けば、まるで天然の水族館。ワクワクしながら水中を探検することができる。
飛び込み
沈下橋や飛び込み岩といったやや高いところから、仁淀川の川面に思い切ってダイブ! 何人かで一緒に飛び込めば、勢いよく水しぶきがあがる。飛び込んだ瞬間の音や衝撃も思い出に。
川石でダムづくり
流れのなかにさまざまな大きさの川石を組み上げて、ダムを作る遊び。川原では、捕まえた魚を泳がせる生簀をつくることもあった。家族で出かけたら、そこで飲み物やスイカなどの果物を冷やした。
川エビ探し
写真提供:株式会社西日本科学技術研究所
川底の石をめくって探す川エビは、見つけた途端に勢いよく飛び出し、あっという間にまたどこかに潜んでしまう。見事捕まえられたら、昔は家でよく唐揚げにしてもらったもの。
生き物探索
いろいろな形や色の生き物たちが泳ぐ仁淀川は、どんな水族館よりも身近な生き物探索ができる場所。捕まえた生き物はバケツやプラスチックの飼育容器に入れて眺めた。
素潜りで石拾い
仁淀川名物「五色の石」で知られるように、仁淀川にはカラフルな石がたくさんある。川底でキラリと光るきれいな石をめがけ、大きく息を吸い込んで水中にダイブ!
これ知っちゅう?川ガキアイテム図鑑
箱めがね
木の小箱のような外見だが、底にガラス板がはめ込まれており、水中をのぞくことができる。
エビ玉
先端に小さくて丸い網が取りつけられており、勢いよく川エビや小魚をすくうことができる。
よもぎ
川原に自生している植物だが、すりつぶした液を水中めがねなどの曇り止めに使う。
金突き
魚突きが好きな川ガキの手には「金突き」。大きくなるにつれて、上手に突けるようになる。※アユ、アマゴ、ウナギ等を金突きするのは禁止