土佐の技 温故知新【陶芸】 「森田 浩路さん」

地元を盛り上げ、文化を伝える陶芸作家

土佐の職人技に宿る本質は、文化を伝えること。その営みに現在進行形で取り組んでいるのが、土佐市にある「もりたうつわ製作所」の代表、森田浩路さんだ。「大学の陶芸サークルでみんなの焼き物を任された時に大失敗をしてしまったことが、その後の厳しい修行、しいては陶芸家になるきっかけでした」と言う森田さん。手掛けるのはシンプルで静かな趣ながら確かに存在感を放つ器で、日常生活はもちろん、若者たちが足を運ぶカフェでも人気の作品になっている。器を通して感じられる、生活のこだわりや心の豊かさを広めることが、森田さんの根本。「器は、性別や年齢、地域を超えたつながりを生んでくれます。文字通り、みんながつながれる器なんです」と語ってくれた。

コロナ禍の影響を受け、最近ではオンラインイベントも行う森田さん。離れた場所にいても器がつながりを生んでいる。

もりたうつわ製作所 代表/森田浩路さん

平成19年に陶工房「とさんちゅ」、平成27年に「もりたうつわ製作所」を設立。陶芸品の制作・販売を行う傍ら、陶芸教室や交流イベントなども開催している。

土佐の技を体験 ワカモノ副音声

体験者/つかはら夫婦(YouTube「つかはら夫婦」で検索!)

実際に 土佐の陶芸を 体験してみた!

もりたうつわ製作所で陶芸体験をしたのは、高知に移住したYouTuberのつかはら夫婦。和気あいあいとした雰囲気で迎え入れてくれた森田さんの印象に、「陶芸家の気難しいイメージが全然なくて、驚きです!」。早速触った素材の土は、初めての感覚。夢中になって茶碗の形に整えようとすれば、思ったような形や厚みにならなかったり。「思い描いていたものとは、ちょっと違った形になっちゃう。でも、それも面白いですね。」食器を手に持つ際の座りの良さや、口に触れる部分には、使用するシーンも考える。「そこから、暮らしのちょっとしたこだわりが生まれるんですよ」と森田さん。暮らしの文化を発信するもりたうつわ製作所ならではの陶芸教室に、つかはら夫婦も土佐の技の魅力を実感していた。

器づくりの素材となる土。初心者でも作りやすく、また割れにくいことを考えて、ブレンドされている。

陶芸教室では、森田さん自らレクチャー。こまめなアドバイスはもちろん、陶芸の醍醐味まで話してくれる。

食器の口に触れる部分は、特に注意が必要。そこでイメージすることが、暮らしの豊かさにつながっていく。

作品に塗る好きな色を選んで完成。後日、改めて訪問すれば、焼き上がった作品を手にすることができる。