第50号を記念してコーナーが復活!プライムトーク
とさぶし第23号から第46号まで掲載された連載企画「プライムトーク」が、第50号を記念して復活! とさぶし編集委員を務める2人が地元のラジオ局「エフエム高知」で語り合った。
高知にしかない価値をそれぞれに見つけた
2人の「編集者」
とさぶしの発行に向けて、「どんな特集を展開するべきか」などが話し合われる編集会議に、とさぶし編集委員として参加している黒笹さんとかずささん。年齢も経歴も異なる2人に共通するのは、「高知の編集者」という視点。「とさぶしは高知の文化をどんなふうに伝えていくべきだろう」といった編集を巡るテーマをはじめ、それぞれが見つめている「高知ならではの価値」を、今回、エフエム高知のラジオスタジオで語り合った。
大手出版社でさまざまな雑誌の編集長を務めた黒笹さんが高知に移り住んだのは、平成24年のこと。「東京湾で釣りをしていたらボートのエンジンが壊れて、そのまま高知まで流されちゃった(笑)」と冗談まじりに話すほど、大の釣り好き。「川に、磯に、沖に。釣り好きにはたまらない環境」と高知に惚れ込んだという。
一方、高知市で生まれ育ったかずささんは、「幼い頃、祖父のバイクに乗せられてよく山の中を走っていたので、ずっと高知の自然が好きなんです。でも、データで見ると高知っていろいろな課題も山積みだから、地域課題の解決に編集という仕事で取り組みたくて」と話す。かずささんは、地元タウン誌のインターンや広島県の出版社を経て、平成30年に高知にUターンした。
一方、高知市で生まれ育ったかずささんは、「幼い頃、祖父のバイクに乗せられてよく山の中を走っていたので、ずっと高知の自然が好きなんです。でも、データで見ると高知っていろいろな課題も山積みだから、地域課題の解決に編集という仕事で取り組みたくて」と話す。かずささんは、地元タウン誌のインターンや広島県の出版社を経て、平成30年に高知にUターンした。
それぞれの場所で見つめているもの
編集を巡る対話
話題が「編集すること」に移ると、かずささんは、「編集って『伝えるべきものの本質がどこにあるのか』を考え抜くことだと思う。その上で、デザインなどの工夫で、本を手に取ったり、SNSで目に留まった時に、
『これなに?面白いな』って、思ってもらえるものをたくさん生み出したい」。全国販売される商業誌を長年手がけてきた黒笹さんは、「編集者の醍醐味は、世の中の兆しをいち早く察知すること。誰よりも先にそれに気づいて、コンテンツに落とし込んでいくことなんですね」と言う。
『これなに?面白いな』って、思ってもらえるものをたくさん生み出したい」。全国販売される商業誌を長年手がけてきた黒笹さんは、「編集者の醍醐味は、世の中の兆しをいち早く察知すること。誰よりも先にそれに気づいて、コンテンツに落とし込んでいくことなんですね」と言う。
では、日本の社会や時代はこれからどこに向かうのか。黒笹さんがその「兆し」を見つけたのは、まさに高知だった。「高知って、都会と比べたらお金はないかもしれないけれど、全然貧乏臭くない。これって高知で暮らす人たちは、楽しく生活していく技術が優れているからだと僕は思うんです。そんな『生活技術』こそ、これからの日本の新しい価値観だと思うので、高知の優れているところとして全国に向けてどんどん発信していきたい」。かずささんも、「確かに高知の魅力は、人柄の明るさとか、暮らしの価値観とか、目には見えないものにこそある。自分たちの魅力や文化を、高知に暮らす人たち自身が意識できるようになったら、さらに若い人たちにも伝わっていくのでは」とうなずいた。
第50号を迎えたとさぶしの振り返りこれからへの期待

これまでのとさぶしを振り返りながら、かずささんは、「川や流域に関する企画や記事の仕事に今携わっていることもあって、とさぶし第36号(仁淀川の人と暮らし)に目を通すことがあるんです。そんなふうに、読者の方が自分の興味に応じて、気になる特集のとさぶしを手に取ってもらえたらいいですね。それぞれの興味をきっかけに、20、30代に高知の文化を面白がってもらいたい」。

これに対して、「僕が思うのはね」と黒笹さん。「今、日本には元気がなくなっている人が増えているように
見える。でも高知はまさに、訪れると元気になれる場所!『元気になって、よかったらそのまま住んでくださいね。でも、元いた場所に戻っても、もちろんいいですよ』って、笑いながら言ってくれるような、大きくて温かい懐が高知にはある。僕はそれこそが高知の一番の底力だと実感しているので、そんな優しさをとさぶしで伝えていきたいな」。
高知に来ると元気になれる。目には見えない文化の中にも、そんな高知の魅力が詰まっている。

黒笹さんの印象に残っている「とさぶし第42号(牧野さんだいすき!)。表紙は、黒笹さんの協力を受けて、漫画家の村上もとかさんが手がけた。

エフエム高知で毎週金曜日に放送中の「プライムトーク」に出演した時の黒笹さんとかずささん。二人の出演回は、令和7年4月4日、11日の2週にわたってオンエア。