地域の宝である四万十の栗 地の力を信じてより良いものを

高知県西部にある四万十市西土佐、四万十町十和、大正の地区では古くから栗栽培が盛んに行われ、最盛期とされる50年ほど前は年間500~600トンの収穫量を誇っていた。

とさぶし47-栗①

山の斜面に濃い朝霧が立ち、昼夜の寒暖差が大きい四万十川中流域の気候は、通常サイズよりひと回り大きく、糖度が20度近い良質な栗を育ててきた。

今回訪ねた竹本さんが育てるのは、四万十の栗の中でも無農薬・化学肥料無しで栽培される「特選栗」と称される特別な栗。竹本さんをはじめ10軒の農家がこの特選栗の栽培に取り組んでおり、より大きく育てるための剪定(せんてい)作業や害獣対策などに当たっている。

とさぶし47-栗②

栽培は決して容易ではないが「畦地さんがこだわるから、私らも全力で応えているんですよ」と竹本さんは笑う。その畦地さんは、地域に根付く素晴らしい資源を広く伝えたいと四万十の栗に注目して、「しまんと地栗」のブランド化や自社製品を多数展開して県内外への発信に尽力。

四万十の栗を商業面から支える、無くてはならない存在である。「『地の力』を信じてより良いものを作り、その技術を継承していくことが大切だと思うんです」。最近は自社の若手社員が竹本さん指導のもと栗栽培を始めたり、地元の小学生による植樹体験も実施。より若い世代に地域の宝である四万十の栗を伝えている。

とさぶし47-栗⑤

収穫時期の10月になるとソフトボール大まで大きくなるイガ。あまりの重さに枝がしなだれるのだそう。

とさぶし47-栗③

通常のサイズと比べてみるといかに大きいかがよく分かる四万十の栗。過去最大は驚きの87g!

とさぶし47-栗④

四万十川流域の栗栽培を知ってもらおうと、令和6年3月には十川小と昭和小の全児童による植樹が行われた。

買える場所:「道の駅 四万十とおわ」、高知県内の青果店など ※その年によって取り扱いが無い場合もあります
おすすめの食べ方:材の味だけを楽しむ、もっともシンプルな「ゆで栗」