家族ぐるみで繋いできた老舗映画館

今も残る街の映画館「高知あたご劇場」

昭和30年〜

あたご劇場

劇場があるのは愛宕商店街から東へ入ってすぐの場所。年季の入った木造モルタル造の建物。

70年続く街の名物シアター

高知ゆかりの映画も応援

 「高知あたご劇場」は、地元の映画ファンなら誰もがその名を知る老舗シアター。創業は昭和30年。およそ70年にわたって、家族ぐるみで上映を続けてきた。現在の館主である水田サリーさんも、前館長だった水田朝雄(みずたあさお)さんの親族だ。「私が結婚した頃は、お義父さんはもちろん、お義母さんも親戚のおじさんも一緒に劇場で働いていましたね」と当時を振り返る。また、支配人の西川さんも劇場との付き合いはとても長く、学生時代から足繁く通っていたそう。「当時からチラシや割引券も手作りで。劇場を身近に感じて育ちましたね」。そんな地域に密着した劇場らしく、高知あたご劇場では、高知にゆかりがある映画作品の上映や舞台挨拶が積極的に行われている。近年では、香南市出身の映画プロデューサー、濱口典子(はまぐちみちこ)さんが手がけた映画「レッドシューズ」の舞台挨拶も話題になった。サリーさんは「家族や仲間で大切に続けてきた劇場。若い人たちの世代にも受け継いでいきたい」と話す。

あたご劇場

ロビーでは、スナックやドリンク、パンフレットの販売も。話し声が中に聞こえるため「上映中はお静かに」がお約束。

あたご劇場

座席数は1階と2階合わせて136席。2階席がある映画館は今では珍しい。