着物を粋に着こなして

着物文化とアメリカ音楽をつなぐジャズシンガー

Matilda
和装ジャズシンガー Matildaさん
一番のお気に入りは、15歳の時に日舞の発表会に合わせて母からもらった黒地の大振袖。

 「幼少期は日本舞踊をしていたので、着物は身近な存在でした」、そう話すのは土佐清水出身の和装ジャズシンガー・Matilda(マチルダ)さん。3歳から着物で踊り続け、9歳になる頃には自分で着られるまでに。幼少期から着物を着る機会が多かったそんな彼女が、和装ジャズシンガーとして活動するようになったきっかけは、平成27年のソロデビュー。「プロとしてお客さまの前に立つのだから、堂々とした姿で」という思いから。彼女にとって慣れ親しんだ着物は「精神安定剤」のようなもの。着物を着ることで、緊張したそぶりを見せずに心を落ち着かせ歌に集中することができた。そんななれ初めで、ならではのスタイルを貫く彼女の夢は、「いつか振袖を着てアメリカで歌いたい」。


着物を着ることで伝統の風格を受け継ぎ新しい人々を迎え入れる

得月楼-メイン写真
得月楼 番頭 松岡祐司さん
得月楼-サブ写真
実家の「得月楼」を継ぐまでは、テレビ局に勤めていた松岡さん。広報役もこなしている。

 「得月楼」といえば、土佐の宴会文化を牽引してきた、創業150年の歴史を誇る老舗の料亭。宮尾登美子の著作「陽暉楼」の舞台にもなった全国的に知られる名店。松岡さんは、そこで、着物に身を包みお客さまをもてなす番頭を務める。いわゆる、「着物男子」だ。首元の襦袢(じゅばん)に鮮やかな唐紅を差した立ち姿からはなまめかしささえ感じる。「着物でなければ、伝統ある得月楼の番頭は務まらない。それに、この着物姿が若い人々の印象に残れば、もっといろいろな人に得月楼を知ってもらえますからね」。そう言って伝統ある得月楼の風格を継承しながら、新しく訪れる人々を迎える松岡さん。彼にとって着物は、「得月楼」の伝統と風格を守り抜く上で欠かせない仕事着になっている。


親から子へ目指すは着物の伝道師

とさぶし_川戸さん写真差し替え
よみかき教室講師 川戸佳織さん・あかりさん

着物を着て、周りや子どもに着物の良さをつないでいきたいという思いを込めた「着繋ぐ」を表現し続ける川戸さん。思い出の一着を我が子へつなぐことができるのも、着物ならではの魅力だ。


着物がいくつもの縁を結ぶ

森田啓稔
とさでん交通 森田啓稔さん

「着物を着ると、いろんな人が声を掛けてくれるんです」、そう話す森田さん。着物を着ることで相手に敬意を払いつつ、自分も褒められる。お互い心地よいのが着物の魅力だという。


和洋ミックススタイルでオリジナルコーデ

檜山涼
高知大学生 檜山諒さん

伝統的な着物の良さを大切にしながら、洋服でアレンジを加えて着こなす檜山さん。「みんなが思っているより、着物は安価で手に入り、楽に着られるという事を知って欲しいです」。


自分の仕事と同じく 守るべき日本の文化

松岡-メイン写真
松鶴堂 三代目 松岡幹幸さん

「着物に興味を持ってもらえたら」と、式典、会合、披露宴などスーツで行くような場所や、茶席の手伝いの際に着物を着るという松岡さん。着物は公私ともに欠かせない存在だという。