沿線を盛り上げる 駅キャラがユニーク
駅をきっかけに地域を巡ってみよう
「日本最後のローカル新線」と言われ、平成14年に開通した「ごめん･なはり線」。南国市から奈半利町を結ぶ路線上には21の駅があり、それら全ての駅に漫画家・やなせたかし先生が考案した駅キャラクターがいることが非常にユニークだ。
当時、やなせ先生に依頼を行った小松さんによると、もともとは沿線全体のイメージキャラクターを一つ依頼する予定だったが、先生から「どうせなら全部の駅に作りたいよね」と予想外の返事があり、駅がある地元の地域性を生かした、愛らしいキャラクターが次々と誕生。特産品やグルメ、歴史、絶景など、地元の魅力を、駅の各キャラクターが教えてくれるよ うなデザインになっている。
さらに「安芸駅」や「奈半利駅」など、沿線の主要駅には、地元特産品を販売する直売所が併設されていることも特徴。地元の伝統工芸品や特産品が集まり、それを目当てに人が集まるような、賑やかな駅づくりが行われている。高知県東部の温かさを感じられる、地元愛あふれる駅を巡ってみよう。
田野駅
田野駅キャラクター：田野 いしん君
田野駅の目の前には、「道の駅 田野駅屋」が。開業当初から地元町民らが運営しており、お遍路さんや観光客などのおもてなしの場になっている。
リピーター続出の 大人気「玉子巻き」
伊尾木駅
伊尾木駅キャラクター：いおき トラオ君
キャラクターが語る 実は映画のロケ予定地だった!?
駅のキャラクター「いおきトラオ君」は、地域が映画「男はつらいよ」のロケ予定地だったことに由来。少し歩くと有名な「伊尾木洞」があるが、その近くには「寅さん地蔵」も見つけることができる。
西分駅
西分駅キャラクター：にしぶん つきこちゃん
青々とした松林の先に 雄大な太平洋が広がる！
あかおか駅
あかおか駅キャラクター：あかおか えきんさん
沿線のキャラクターたちが大集合♪ イベント目白押しの駅
「あかおか駅に行けば全キャラクターに会える！」という展示スポットが名物。「土佐赤岡どろめ祭り」（毎年4月）や「絵金祭り」（毎年7月）など、地元名物のイベントも駅周辺で開催される。
よしかわ駅
よしかわ うなお君
田園のなかに ぽつりと佇む、 高架の無人駅
駅で出迎えてくれるのは吉川町の特産、ウナギをモチーフにした「よしかわ うなお君」。町内には養鰻場やウナギ屋があり、おいしいウナギ料理が楽しめる！
有限会社ユニオン 代表／小松 計夫（こまつ かずお）さん
遊び心あふれる駅キャラクターたちには
東部地域の賑やかさが表現されています
ごめん・なはり線の開通をひかえていた当時、やなせ先生から、いきなり全駅のキャラクターデザインが届いたときは、本当に驚きましたね。地域の魅力を駅から伝える、「明るく分かりやすいキャラクター」は、ごめん・なはり線の一番の魅力だと思っています。
高知の駅 これが常識！
都会ではありえない!? 地方を走る鉄道ならではの駅事情やルールをご紹介！
自動改札は高知駅のみ！
高知県内で自動改札が設置されている駅は高知駅のみ。利用者の利便性アップはもちろん、平成21年に新駅舎が建設されたことも設置の理由のひとつなのだとか。
特急列車が通過待ち!?
高知県では基本的に単線で鉄道が運行しているため、特急列車であっても、反対方向から来る特急列車が到着するまで、駅で通過待ちをすることがある。
切符は自己申告制！
ほとんどが無人駅の高知県では、運賃の支払いを下車時に行うこともある。場合によっては乗車駅を乗客に自己申告してもらうことがあるが、信用乗車で運行されている。