キリッとした辛味が特徴的な高知のショウガは、ジンジャーエールやショウガパウダー、万能調味料などに進化!
生産量日本一!
栽培環境に恵まれたショウガ
高知県が生産量日本一を誇るショウガは、まさにTOSAスパイスの代表選手。熱帯アジアが原産地とあって、高温多湿な高知の風土は、ショウガ栽培に適しているのだ。
高知県で収穫されたショウガは、一定期間、貯蔵されてから出荷されることが多く、そのため「囲(かこい)ショウガ」とも呼ばれる。キリッとした辛味に、ショウガらしい濃厚な風味が立ち、料理の薬味はもちろん、田舎寿司や炒め物など、さまざまな料理で重宝されている。
また近年では、お菓子や調味料など、加工商品の開発も盛んになっており、例えば「夢産地とさやま開発公社」では、「有機JAS認証」に適合するショウガを栽培し、数々の商品を世に送り出している。
とにかく辛い!
有機ショウガのパワー!
高知市の里山エリア、土佐山地域では、「地元で栽培した有機ショウガを全国に広めたい!」という思いから、平成22年に「土佐山ジンジャーエール」を開発。
一目見て驚くのが、ボトルの底に沈殿する、ショウガの濃厚な成分だ。素材を煮込み、濾(こ)す工程では、ショウガから溶け出した成分をあえて残しており、そうすることで、ショウガの辛味と風味が前面に出て、とにかく辛いジンジャーエールに仕上げている。
高知県工業技術センターによる調査では、ショウガの辛味成分(ジンゲロール・ショウガオール)や、ショウガフレーバーの成分が、一般的な製品より高い数値を示したという。有機ショウガのパワーそのものが詰まっている。
辛口とマイルドのほか、4種類の「土佐山ジンジャーエール」があるが、マイルドでも、一般的なジンジャエールより辛い!
最後まで薄れない
ショウガの風味
ジンジャーエールの開発後、「せっかく土づくりからこだわった有機ショウガ。搾った後のショウガも無駄にしたくない」という思いを抱いた「夢産地とさやま開発公社」の面々は、新たな商品開発を試行錯誤。そうして誕生したのが、万能調味料「お料理、しょうか?」だ。
ジンジャエール用にスライスして搾った後のショウガを、醤油やダシ、米酢等に漬け込んだ。辛味がほどよく抑えられ、味わいやすいショウガの風味が香る。開発責任者の大﨑さんは、「素材が良いからこそ、有名ホテルやセレクトショップにも置いてもらえます。
今後も里山の自然を守りながら、ショウガの可能性を広げたい」と話してくれた。
ショウガパウダーやショウガ糖などの商品も開発。ショウガの可能性を広げている。