高価な国際的商品として注目を集める土佐のサンゴ。 世界最先端のその加工技術を受け継ぎ、 未来へと継承する若手職人の熱き志に迫る。
サンゴ業界に 新たな風を吹かしたい…
株式会社KAWAMURA 谷内克臣さん
一昨年には、職人歴4年目にして、花と昆虫をあしらった独創的な作品で、コンテスト最優秀賞を受賞、早々に頭角を現す期待の若手。世界に羽ばたく商品を手に、難易度の高い加工に苦闘しながらも、自らの世界観を表現する。「高知の地場産業に携われることが誇り、自分なりに流行を取り入れヒット商品を生み出したい」。世界屈指のサンゴメーカーとして、スーパーブランドからも高評価を得る「KAWAMURA」の看板を背負うだけあり、その意気込みは流石だ。
異素材と組み合わせて サンゴの魅力を強調
森謙次さん
家業のサンゴ加工をしていた森さんが「根付」に出会ったのは10年程前のこと。現在ではすっかり根付作りに没頭し、個展を開くまでに。作品は、サンゴと鹿の角、鯨の歯などを組み合わせた、独創的なものばかりで、著名人からも評価を得る実力の持ち主。現在は定期的に東京のギャラリーに作品を提供しており、国内はもちろん、ロシア人や中国人からも人気が高い。「高知の特産をアピールできる作品をたくさん作っていきたい」と話してくれた。
サンゴだけに捉われず 新しい見せ方を
カマクラサンゴ Gallery蓮Ren 鎌倉悠さん
サンゴを使った工芸作品をメインに手がける鎌倉さんが作り出すジュエリーは、その経験と技術が生かされた立体的で繊細なデザインのものが特徴。「若い女性にも好まれるものを目指して企画した」という桜をモチーフにしたイヤリングにはダイヤがあしらわれ、多素材との組合せがこれまでのサンゴジュエリーのイメージとは違った印象に。「どんなデザインだと気に入ってもらえるか…」、作品を手にしてくれる人の事を想い試行錯誤の日々を送る。
若い世代へ加工技術を 受け継いでいく
(株)木内工芸 高知支店 西森恵美さん(左)・西本佳那子さん(右)
宝石サンゴや本真珠、貴石などを取り扱う「(株)木内工芸」は、時間がかかっても一つひとつの商品を丁寧に作成し、妥協しないことをモットーにしている。そこで加工技術を磨く若手職人2名の作品が、今年のコンクールで見事入賞。西本さんの作品は細部まで繊細に施された加工技術、西森さんの作品はデザインと色の調和のセンスの良さが評価された。今後は、若者が気軽に身につけられるようなサンゴジュエリーを作るべく日々邁進中だ。