本山珠里さん 〜 すっぴんトーク 〜

見れば見るほど楽しい発見の連続で、まるで宝探しをしているような気分にさせてくれるお店「Paper message」。受け継がれてきた印刷技術と、女性ならではの感性とアイデアが融合して生まれる作品の数々は、背景に1人の女性の熱いメッセージが注ぎ込まれている。

確固たる思いを信じて
誕生した1号店

今年創業80周年を迎えた「本山印刷株式会社」。昭和13年に高知県の本山町で創業し、戦後に現在の本社がある高知市大川筋に移転。通常のオフセット・オンデマンド印刷をはじめ、活版印刷や箔押し、カッティングなどの特殊加工まで、自社工場で職人の手によって行われている。そんな昔ながらの印刷屋さんが、2009年に始めたのが「Paper message」。その生みの親こそ、今回の物語の主人公・本山珠里さんだ。「お店をはじめたキッカケは、紙ものや印刷のおもしろさ、可能性をより多くのお客様に伝えたいという思いからでした。誰でも自由に来ることができる、ショールームのような場所が欲しかったんです」。しかし、印刷業界では他に例のない試みだったため、周囲の賛同はなかなか得られなかった。それでも「面白いものを見てみたいという人は必ずいる」という確固たる自信が珠里さんを後押しした。そうしてスタートした「Paper message」は、周囲の心配をよそにすぐに高知で受け入れられ、定着。そして、3年後には大きな転機を迎えることになる。

 

何かにチャレンジしたい 
その一心で東京進出!

高知でも東京でも大人気! 「土佐みやげシリーズ」の一部。カッパの腕に切り込みが入っていたり、細部に至るまでこだわりが。

大川筋の本社横にあった「Paper message」が、現在の帯屋町に移転したのが2011年。その翌年には何と「吉祥寺店」がオープン! このいきなりの東京進出は前々から綿密に計画していたのではなく、珠里さんの言葉を借りれば「割と無計画に」果たしてしまったのだそう。「何かにチャレンジしたいという思いがずっとあって…。そんな時、吉祥寺で良い物件に出会って『これだ!』と思って決めました」。元々、吉祥寺はクリエイターが多い街としても知られており、「Paper message」が馴染むのも早かった。そんな中、店舗経営の他に地道に続けていたのがプレスリリース。いわば企業に向けた広報活動だ。「数を多くばらまく事よりも『封を開けてもらう』という事に注力し、あの手この手で工夫を凝らしました」。その中の一つが某大手アパレルメーカーの広報担当者の目に留まり、2014年にオープンした新店のショーウィンドウデザインを担当。それからも、有名メーカーやデパートなど、誰もが耳にしたことのある企業とコラボレーション。この異業種とタッグを組むという取り組みは現在進行形で続いており、あらゆる方面に広がりを見せている。

専属のイラストレーター兼デザイナーがいるのも大きな特徴。高知出身のイラストレーター・大久保淳子さんをはじめ5名が在籍。

「made in KOCHI」を
掲げて高知から発信!

本山町で創業した際に撮影された貴重な1枚。この頃から使用している活版印刷機は代々受け継がれ、今でも現役で稼働中!

タッフは珠里さんを筆頭に、在籍している13名全員が女性! 毎月東京で開催されている企画会議はいつも大盛り上がりで、「楽しい」の一言に尽きるのだそう。「楽しく仕事をすると、おのずとおもしろいアイデアが生まれるんです。自分たちで作っておきながら、これ誰が買うの? と思わず笑ってしまうようなものもたくさんありますが、それこそがうちの魅力! 他ではできないことをこれからも続けていきたいです」。  実は以前、東京の有名企業の方からこんな事を言われたのだそう。「高知発ってところが良いよね、と。それまで、田舎の小さな会社がやってることがネックになっていないかなと思った時期もあったので、その一言に救われた気がしました。これからも『made in KOCHI』を全面に出して『Paper message』にしかできない事を発信していきたいと思います」。


FM高知で毎週金曜放送中のラジオ「MYスタイル すっぴんトーク」に出演した際のスタジオの様子。珠里さんの出演回は、10/5、12の2週に渡ってオンエア。