喫茶と常連さん〜おやつをめぐって〜

喫茶と常連さん〜おやつをめぐって〜

喫茶店と切っても切れないのが、常連さんの存在。 いつもの時間に、どんな物語が紡がれているのだろう。 愛されスイーツから、その一端を探ってみた。

看板ホットケーキが
会話をきっかけにさらににぎやかに

喫茶オレンジのホットケーキ

令和5年にオープンしたばかりでありながら、どこか懐かしい昭和の情緒が漂う「喫茶オレンジ」の看板メニューは、店名の焼印が目を引くシンプルなホットケーキ。

多くのファンに愛されるこのホットケーキで、店主の伊藤さんが思い浮かべるのは、毎月欠かさず通ってくれるという70代の紳士だ。「焼印のおこげの部分が好きながよ」の一言から、その方には焼印を3つ入れて提供するようになったという。

そのやりとりは、いかにも自由な喫茶らしい。

1970年代を意識した、昭和レトロでポップな店内。レコードプレイヤーで音楽を流すことも。

常連客の注文が自信に
歴史ある地元喫茶の挑戦

喫茶ウォッチの焦がしキャラメルのプリン

「ウオッチ」は、創業から半世紀を超える四万十市の老舗喫茶。この店で新たな看板メニューとなっているのが、こちらのプリン。

縁あって大阪の名店喫茶からレシピを受け継いだという。ある女性の常連客もすっかりこのプリンのとりこになり、訪れるたびに必ず注文してくれるそう。

「実は、ウオッチにはこれまでプリンがなかったんですよ」と話すのは、店主の篠川さん。長年の常連さんが注文してくれることが、大きな自信になっている。

 一條神社や天神橋商店街など、中村らしい名所もすぐそこ。散策したら、老舗喫茶でほっとひと息。 

喫茶 ウオッチ(四万十市)
大阪の有名喫茶の看板プリンが「喫茶 ウオッチ」に来た理由

令和6年、大阪の有名喫茶である「街の灯り」の店主・藤本さんが「喫茶 ウオッチ」に来店したことをきっかけに意気投合。藤本さんの「減りゆく喫茶業界を元気にしたい」という思いもあり、「街の灯り」の看板メニューである「焦がしキャラメルのプリン」の秘伝のレシピを受け継いだ。令和7年6月から提供を開始すると「美味しすぎる」と常連客からも大好評!早くもお店を代表する看板メニューとなっている。