あらためて高知城、私はココが自慢!

あらためて高知城、私はココが自慢!

江戸時代に建てられた 本物の城郭が今も残る 高知城は奇跡の名城!

「地元の方に『え、高知城って国宝じゃないの!』と驚かれることは、よくあります」と話すのは、長年、高知城の魅力を発信してきた島崎さん。実は高知城は、昭和9年に「国宝保存法」により一度国宝となったものの、昭和25年には「文化財保護法」という新しい法律によって、「国指定重要文化財」の指定となり、国宝ではなくなっている。「でも、高知城に親しんできた県民は、当たり前に『国の宝だ』と感じているのでは」と島崎さん。実際にその価値を振り返ると、今の高知城の 天守(城の中心的な建物)は、寛延2年(1749年)に再建された本物の江戸時代当時のもの。また本丸(天守を中心とする建物群)の建造物(11棟)が全て残っているのは、日本全国でも高知城だけだという。「あまりにも暮らしの一部になっているので気付きづらいかもしれませんが、高知城は奇跡のような存在のお城。海外からの観光客も多くなっているので、地元の方にこそ自慢に思ってほしいですね」。

日本のお城の要、 本丸の姿は当時のまま!

高知城の本丸の建物群は、当時の姿からほぼ完全な形で現存している。これは日本で唯一のものであり、とても貴重なんだとか。天守の忍返(しのびがえし)や土塀の物見窓(ものみまど)も、現存しているのは高知城だけ!

忍返
物見窓
天守閣の外を歩けるのは 実はレア!

高知城では、天守閣の外側につくられた回廊を歩きながらまちを見ることができるが、実は天守閣の回廊に出て歩ける現存天守のお城は、国内で高知城と犬山城(愛知県)のみ。高知城にはさらに、豪華な漆黒塗りの高欄(こうらん)まである。

高欄
追手門から続く「守りの構造」

城内の縄張り(設計)の様子を、当時の姿をそのままに残していることも高知城のポイント。追手門から本丸・天守までどのように防衛するか。江戸時代のお城の構造を教科書のように残していることも価値が高い。 追手門から続く「守りの構造」

まちの生活に溶け込む高知城。地元住民にとってはあまりにも見慣れた存在だが、「あらためて」注目してみると、自慢したくなるようなことがてんこ盛り!高知城を愛する方々に語ってもらいました。

当時の職人技をじっくりと!

高知県の観光関連の仕事にも携わっていたという渡部さんは、大のお城好き。「見どころはたくさんありますが、近江の穴太衆(あのうしゅう※)が手がけた、自然石を積み上げた石垣! 当時の最高技術だと思うと、時間を忘れてじっくりと眺めちゃいますね」。※安土桃山時代に活躍した石工(いしく)の集団

会社員 渡部(わたなべ) はるかさん
お城の仕掛けを見つける楽しさ

ツーリズムコースに通いながら、授業の一環で高知城のガイド活動も行なっている西本さん。自慢の見どころは三ノ丸から二ノ丸に上がる階段と、お城の外壁にある石落とし。「何の気なしに歩いていると気がつかないような仕掛けが面白いんです!」。県内の方にも高知城の魅力を再確認してほしいと活動を続けていく。

伊野商業高等学校 3年 西本 采可(にしもと
さいか)さん
市街地で季節の変化を感じられる場所

「敷地には、適度な坂や階段があり、ランニングにも最適なんです」と話すのは、陸上トレーニングで頻繁に高知城を訪れている村場さん。日々足を運ぶことで季節ごとに変化する「お城の自然」も感じられ、鐘撞堂(かねつきどう)の桜の美しさや鳥のヤマガラと遊べるポイントも自慢なのだとか。

陸上競技コーチ 村場 伸也(むらば しんや)さん
水を治めたお城のシンボル!

「城郭が好きで、高知城歴史博物館でもアルバイトしています!」という坂東さんが自慢するのは「石樋(いしどい)」。高知の豪雨を克服した高知城が誇る排水設備で、特に写真のように石垣から突き出したものは、全国的にも非常に珍しい。お城にまつわる「日本城郭検定」でも出題されるほどなのだとか。

高知大学 学生 坂東 孝紀(ばんどう こうき)さん