牧野博士のように
草花の魅力を伝える
高知県では、平成13年に始まった「高知県植物誌」の調査活動から、一般の県民が野生植物の分布調査に参加するようになった。限られた研究者だけでなく、地域の住民が広く関わることで、調査活動ができる人材が育ち、交流の輪が広がり、植物を保全する意識が高められている。
こういった、専門家もアマチュアも一緒になって植物調査に夢中になっている様子は、どこか牧野博士の姿とも重なるだろう。牧野植物園の研究調査員である鴻上さんは、「牧野博士の最大の功績は、一般の人々の中に後継者をたくさんつくってきたことだと思うんです。
肩から胴乱を下げた子どもが、牧野博士と一緒になって、楽しそうに植物調査をしている写真が残っていますよね」と話す。かつて日本全国から牧野博士のもとに植物標本が送られたように、今高知県でも、地元住民が地元の草花の標本を牧野植物園へ収める活動が受け継がれている。
教育にも貢献! 牧野植物園に新施設が登場!
植物の研究施設でもある高知県立牧野植物園。実は専門の研究者たちも勤務しており、有用植物の研究など、さまざまな産業振興・教育普及に貢献している。
令和5年5月20日にオープンを予定している「植物研究交流センター」は、そんな植物園の一面がさらに身近になる施設。子どもたちが植物を使った理科実験を行うことができる「キッズラボ」をはじめ、交流スペースやレストラン、ショップなども誕生する予定だという。
子どもたちに草花の楽しさを伝え、身の周りの植物を保全する意識を育む教育普及に、さらに貢献していく。
鴻上さんにとって牧野さんとは
草花の魅力の伝道師。たくさんの人々に 植物への愛を伝えた姿に憧れますね。