「まんが甲子園」と言えば、およそ300校のまんが研究部等の中から、まんがを描く高校ペン児たちが参加する祭典。本戦に参加するペン児はもちろん、スタッフとして大会運営を担う地元・高知県のペン児たちもまた、その情熱を燃やす。それはこの大会の原点から、ずっと受け継がれるものだ。
平成元年ごろに、当時高校生だった弘末賢仁さんらが自主的に始めた「学校の垣根を越えて交流しよう。」という文化活動が、まんが甲子園の前身。高知のペン児たちの交流を求める思いが、この大会をつくり上げた。
高知といえば、日本全国はもちろん、海外からも「高校ペン児」たちが集まる「まんが甲子園」。白いTシャツを着て、選手たちを支えるスタッフを務めるのは、地元・高知県のペン児たちだ。
大会を盛り上げたい
ずっと描き続けたい
昨年、第30回を迎えたまんが甲子園。弘末さんもオブザーバーとして大会に関わっており、地元高校生のサポートを続けている。「今も昔も、主役は高校生。スタッフを務めるのは、予選で敗退してしまった地元のペン児たちですが、大会を盛り上げたい、まんがを描きたい、という思いで、まんが甲子園を支えています」。
本番の準備を自主的に進めながら、自分たちもまんが冊子を作ったり、好きな作品を語り合ったりと交流を楽しむ。本戦に進めなくても、高知県のペン児たちには、まんが甲子園の夏が来るのだ。高校生らしい自由な発想で、これからも大会を盛り上げてゆく。
理屈ではない高校生の情熱
夢中になって描き続けてきた
制作のアシスタントを務める
制作のアシスタントを務める本戦競技中、作品制作のアシスタントを務める「番屋」さん。由来は定かではないが、高校生が自ら名付けたとされ、地元のペン児が画材を洗浄したり、交換水を補充したり。
運命の作品を審査室まで運ぶ
本戦まで勝ち進んだ高校ペン児たちが、情熱を込めて描き上げた作品。それを緊張した面持ちで審査室まで運ぶのも、同じくまんがを愛する高知の高校生だ。
まんが好きたちの交流を生む
本戦終了後は、全国からまんが甲子園に集った高校生たちの交流を盛り上げる、交流会を主催。好きな作品について語り合い、最後は熱いダンス!
夢中になって描く
大会に向けて、お互いを紹介する「非公式ガイドブック」を発行したり、会場に部活紹介をするブースを構えたり。スタッフとして参加する地元ペン児たちも、やはり描くことに夢中なのだ。
弘末さんが選ぶ!
番外セレクション!
過去の大会すべての予選に出場しているのに、本戦まで勝ち進んだことがない春野高校の作品。顧問の先生もソックリなんだとか。 20回大会予選/テーマ「20年」 /春野高校(高知)
「三本の〇〇」というテーマに、まさかの人名をあて、「衝撃的だった」と言う作品。若きまん研部員らしい、自由な発想があふれている。 22回大会予選/テーマ「三本の〇〇」/東京都芝高校
弘末さんが「これまでの30年で一番好き」と話す作品。無言の中で、隅々まで優しさが描かれている。 見事、本戦出場も果たした。17回大会予選/テーマ「居場所」 /島根県立松江南高校