土佐おたからレシピ「ツガニ」

今回の食材/ツガニ

(場所)仁淀川、四万十川などの県内河川 (旬)9月〜11月
ツガニは仁淀川や四万十川などの河川に生息するモクズガニのこと。汁物としていただくのが一般的で、産卵期(初冬)にかけておいしさが増す。

海生まれ。川育ち。 土佐の清流に潜む 川のごちそうをいただく

澄んだお汁に浮かぶ山吹色の「こごり」から、うま味と川の香りが溢れ出すツガニ汁。素朴ながらも、ここにしかない。そんな郷土の味をほっこりと楽しめる季節が、今年も近づいてきた。

水質の良い河川で育つ高知のツガニは雑味が少ないのが特徴で、古くから県内の河川流域には「ツガニを生きたまま石臼やミキサーでひく」という独特の手法で作るツガニの汁物が郷土料理として伝わっている。

今回紹介するのは、リュウキュウ(ハスイモ)、ナス、ネギと合わせた基本の「ツガニ汁」のレシピ。まろやかな口当たりで、どんな料理にも合う一品だが、ここに麺類やご飯を入れたり、暑い季節には冷やしてソーメンの汁にするなど、アレンジも自由自在。

ツガニ汁(2人前)

ツガニ・・・・・・・・・・・・・・1匹
リュウキュウ・・・・・・・・・・・1/5本
ナス・・・・・・・・・・・・・・・1/3本
ネギ・・・・・・・・・・・・・・・少々
塩・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ1/2
醤油・・・・・・・・・・・・・・・25cc
水・・・・・・・・・・・・・・・・1000ml

手順1/片手で引っ張るようにしながら、包丁の刃を沿わせてリュウキュウの皮を剥ぐ。

手順2/皮を剥いだら2~3cmの厚さに切ってショウガを加えたら、塩を振ってなじませる。

手順3/別のボウルに酢・ゆず酢・醤油・砂糖を入れよく混ぜ合わせたら、シラスを加えてなじませる。

手順4/リュウキュウがしんなりしてきたら水気をよく絞り、3と混ぜ合わせる。

手順5/仕上げに大葉を散らして、完成!

 

レシピ案内人/中野葉子さん

いの町出身。国道194号線沿いで仁淀川流域に伝わる郷土料理を提供する「山屋紅(やまやくれない)」のオーナー。目の前を流れる仁淀川や、近隣の山々の幸をふんだんに使った昔ながらのお料理やお弁当を振る舞う。

ひとくちメモ

昔は捕まえてきたツガニを家の水槽に入れて、餌(カボチャ)を与えながら食べ頃まで育てよった。それで食べる前にはいったん断食をさせてお腹の中をきれいにする。ツガニ料理で一番大事なのは風味やきね。アレンジするときも、できるだけ風味を残すよう素朴な食材と合わせてみて。

まだまだある!「ツガニ」を使った料理

【ツガニうどん】
ツガニ汁と並ぶ仁淀川流域の人気郷土料理。作り方はツガニ汁にうどんを加えるだけ。味付けはツガニ汁より少し濃いめで調整。ゆでたツガニなどを乗せると見栄えもグッド!

【ツガニの卵豆腐】
卵に冷ましたツガニのだしを加えて作る卵豆腐。お豆腐の柔らかい舌触りと、濃厚なカニの味わいが楽しめる家庭料理。蒸す時は火加減を強くしすぎないようご注意を。