仁淀川のきれいな水や周辺の風景には、
時には人に、住む場所を変える決意をさせるほどの魅力がある。
そんな風に心を動かされた人々の、ここで暮らす理由とは。
ビール造りを支える水。
クラフトビールを通して地域を元気に
「おいしいビール造りにはこの地域のきれいな水が欠かせない」。そう話すのは仁淀川の支流・中津川に面した醸造所でクラフトビール造りを手がけるムカイさん。「クラフトビールを通して地域を活性化したい」、そんな思いで遠路はるばるアメリカから移住を果たした。
知人の紹介で初めてこの場所に訪れたムカイさんは、仁淀川の天然湧水や豊かな自然、地域の人々の温かさに感動。雨が降った後の水の濁りがなくなるのも早いという上流部ならではの好条件がそろうこの場所でビール造りをすることを決意。令和元年7月に「ムカイクラフトブルーイング株式会社」を立ち上げ、令和2年11月、クラフトビールの醸造所兼タップルーム「BLUE BREW」をオープンさせた。
クラフトビールの副原料には山椒をはじめとする地域の食材を使用。商品名には、仁淀にかけた「2410」や、国道439号にかけた「439」、仁淀川町の人口密度の17%にかけた「17」と命名。この場所にちなんだ数字にこだわった。そんなムカイさんの現在の目標は、「この数字を18にして新たなクラフトビールを造ること」。
ガラス越しに醸造所が見える店内や流域の自然を楽しめるテラス席では、11種類のクラフトビールを提供。地域住民と訪れた人々のつながりができる場を作り出している。