高知が誇る「土佐節」 伝統の本枯節を作り続ける

じっくり、じっくり
時間をかけてできる本枯節

鰹節の発祥地については諸説あるが、「土佐節」は土佐で改良された製法で作られた鰹節のこと。今から300年以上も前、土佐の宇佐浦に流れ着いた紀州の漁夫が、乾燥(焙乾)させて作るそれまでの鰹節の製法に、鰹節の水分を低くする技法と、燻製の香りを付ける燻乾の技法を伝授。

これが「土佐型の鰹節=土佐節」の起源とされている。このような背景もあって、土佐市は鰹節の一大産地として栄えた。しかし、昭和30年頃からカツオの漁獲量が減少、加工業者は廃業や転業を余儀なくされた。そんな中、今なお土佐市に残り昔ながらの製法で鰹節を作り続けている老舗がある。創業74年の歴史を誇る「竹内商店」だ。毎日朝からカツオを切り、煮沸して、そこから生節、荒節と、それぞれの工程に別れて作業。

中でも「本枯節」は、荒節を半年間発酵熟成させた後、カビ付けから天日干しまでの工程を何度も繰り返した鰹節の最高級品で、多くの料理人から注目を集めている。「本枯節は文化的にも貴重で、私たちも誇りを持って作っています。そして本枯節を作り続けていくことが、伝統を守ることにもなる。これからも高知が誇る『土佐節』を後世につないでいきたいと思います」と三代目の竹内太一さん。竹内商店の本枯節はその価値が認められ、平成24年、全国鰹節類品評会で農林水産大臣賞を受賞した。

全国初!! 竹内商店が伝承する「土佐節の製造技術」は、全国で初めて無形民俗文化財として登録されることになりました。

骨抜きされたなまり節は、焚納屋(たきなや)と呼ばれる焙炉に入れられ、薪で火をたいて乾燥させられる。