宝石珊瑚にまつわる神話と真実

【神話】

全国に誇る土佐の伝統文化として 古くより尊いものとされてきた宝石サンゴだが、 そのルーツは地中海。遥か昔、ヨーロッパよりシルクロードを経て、 数々の神話とともに日本へ渡来したと伝えられている。

【神話1】仏教の経典で 極楽浄土を飾る

仏教思想が極楽浄土の様子を伝えた中に、極楽は「七宝」で飾られていると表現され、「七宝」の中に金、銀、瑠璃などと並び、サンゴが含まれていたことも有名な神話のひとつ。

【神話2】おとぎ話で富の象徴

「桃太郎」では鬼退治をした褒美として「金、銀、サンゴ、綾錦」が描かれ、「浦島太郎」に登場する竜宮城の入口にもサンゴの茂みが描かれているほど、古くより宝物とされてきた。

【神話3】ヨーロッパでは 王侯貴族の宝物

もともと地中海で採取されていた宝石サンゴは、ヨーロッパで王侯貴族の宝物とされ、それがキリスト教国に浸透。その後、仏教の伝来とともに日本に渡来したと伝えられている。

【神話4】幸福や魔除けのシンボル

アカサンゴは血液の色を連想させることから、世界各地で人を守る霊力があると信じられてきた。その例として、幼児の手首にサンゴの数珠をする風習が高知県西南地域に残されている。

【真実】

世界有数の資源として、また高価な国際商品としても 世界的評価を得る宝石サンゴにおいて、世界トップクラスの評価を得る土佐サンゴ。 歴史、生産量、技術… その全てが実力を語る。

【真実1】高知は主産地

宝石サンゴの漁獲量は、年によりばらつきがあるものの、高知県が約9割を占める主産地であり、特に高価な「血赤サンゴ」の原木となるアカサンゴが多く採れることでも有名。

【真実2】高知は国内における 流通拠点

国内で採れる宝石サンゴは、サンゴ業者93社が登録し運営する「日本珊瑚商工協同組合」の原木オークションを経て世界へと流通する。その全国の拠点となるのが、ここ高知!

【真実3】発祥の地は室戸沖

宝石サンゴが日本で初めて採取されたのは、1812年、室戸岬津呂の沿岸と伝えられており、サンゴ漁の歴史は高知県が全国で最も古く180年以上に渡る。

【真実4】高知は加工技術も随一

日本の宝石サンゴ加工を担うのは、約8割が高知県内の業者。中には、スーパーブランドから高評価を得るメーカーも存在する。サンゴ工芸のけん引役としても多くの成果をあげている。