作る人、伝える人、つなぐ人、遺す人… ここ高知で、そんな仕事や活動をしている人と その人がリスペクトする人にスポットを当て 2人の関係性、双方の思い、そしてこれからのことなど 胸に秘めたる熱い思いをひもといていく
やった分だけ形になる これからも走り続けるのみ
令和7年7月から、道の駅 四万十大正で新代表を務める鯖戸さんは、今から3年前、縁もゆかりもなかった高知に地域おこし協力隊としてやって来た。「協力隊の仕事を探していた時、地元に根付く道の駅にピンときたんです。前職で経営支援の仕事をしていたこともあって『継続していく上で困っている』と書いてあった、「四万十大正」のことが気になって頭から離れなくなり、ここ1本を目指して来ました」と振り返る。そうして協力隊の任期中は、道の駅と周辺地域をより深く知るため、とにかく人に会い、話を聞き、関係づくりに専念。その甲斐あって、新たな商品が仲間入りしたり、地元の業者が協力して改装工事を行ったりと、地道に築いてきた関係が形になっていくことを実感。この仕事の面白さに気づき、次期代表を決める場でただ一人手を挙げた。「峯味さんをはじめ、一緒に働く仲間や地域の方、みんなが支えてくれているので本当に心強いです。やった分だけ必ず形になるので、学びながら走っていきたいと思います!」と笑顔で力強く話してくれた。
「この地域で頑張っている企業や人がいることをもっと多くの人に知ってもらいたい」と言う鯖戸さん。メニュー開発などにも積極的に取り組んでいきたいと意気込む。
地元業者の協力のもと店内の改装工事も行った。商品のラインナップも新しくなりお客さんも増えたという。
見守り、支え、応援するとにかく何でも挑戦してほしい
「四万十大正」は、前身が農協女性部が運営していた休憩施設ということもあり、ずっと地元の女性たちが働いてきた過去がある。水間さんもその中の一人で、30年以上にわたる勤務歴の約半分の年月を代表として務め、女性陣を引っ張りながら地域を盛り上げてきた。「ここまで長く続けてこられたのは人間関係の良さ。働くみんなのチームワークがとても良かったですね」と振り返る。そんなチームに3年前に入ってきたのが鯖戸さんだ。ちょうど水間さんが「情報発信の仕方」を模索していた頃で、若い感性でどんどん情報発信し、人脈を広げ、切り開いていく姿に驚かされた。「彼女は私からしたら孫のような存在。他のメンバーにも、みんなで支えて助けちゃらんといかんでと常に伝えています」。
退職することでいったん区切りはつけるものの、いつでも応援し、見守り続ける姿勢は変わらない。「失敗してもかまん!もしいかんかっても何回でもやり直せる。とにかくやってみんことには始まらんき、何でもやってみいや!」と、エールを送った。
道の駅に登録される前から長年愛されている山菜うどん。「代々受け継がれたきた味をこの先も守ってほしい」と水間さんは話す。
「いろいろ励ましてくれるからチャレンジしやすい」と鯖戸さん。「いつも応援しゆきね」と水間さん。2人の絆が感じられた。