映画は地域を元気にする
目指すは県内全ての市町村で 毎年1回以上の上映会を!
地域の文化施設や公民館、学校などに映写機を持ち込んで、移動上映会を開催している「シネマ四国」。こうした「移動映写」の活動は、令和5年だけでも中国・四国地方でなんとおよそ130ヶ所にも上ったというから、一年の半分はどこかで上映会を行っていることになる。そんなシネマ四国で代表を務めている田邊さんは、映画が地域にもたらすさまざまな影響を肌で感じてきた。「小さな会場では地元の方と一緒に上映の準備をしたり、学校を訪れたら生徒の皆さんと一緒に給食を食べたり。年配の方から『映画を見たのは20年ぶりだよ』と感謝の声を頂いたこともありますね」と、アットホームな思い出は尽きないが、どの移動映写でも変わらないのは、映画をきっかけに人が集まり、そこで朗らかな交流が生まれることだという。「上映会って、地域を元気にしてくれるんです。地元住民の皆さんが生き生きとなって、心身の健康にも良いんじゃないか、と思うくらい。目標は、高知県内の全ての市町村で、年に一回は上映会を開催することですね」。映写機を設置できて暗くなる場所なら、どこでも移動映写はできる。軽やかなフットワークで、シネマ四国は地方に映画を届けてゆく。
使用する映写機は、16mm、35mm、DCP(デジタルシネマパッケージ映写機)。ブルーレイやDVDを素材に、コンパクトなプロジェクターで上映会をすることもある。
シネマ四国代表 田邊 高英さん
昭和42年、広島県生まれ。平成7年「有限会社四国文映社」に入社。その後独立して、平成26年に「シネマ四国」を設立。高知県を拠点に四国地方や岡山県でも移動映写を行う。