お遍路さんに聞いた 思い出のあまいお接待

お遍路さんの心の中に今でも残る、 優しくてあまいお接待の話。


たくさんの人からのお接待が

お遍路さんを結願へと導く

 第28番札所「大日寺」のある香南市にて、「旅館・レストランかとり」を家族で営み、訪れるお遍路さんをサポートしている近藤洋好さんは、これまでに歩き、自転車、車と計15回以上ものお遍路経験を持つ。  

 中でも、近藤さんが25歳の時、歩き遍路中に受けたお接待が今でも思い出に残っているという。それは、お遍路さんに会った時用にと、飴玉と折り鶴の入った袋をいつも持ち歩いているというおばあちゃんからのお接待。「『道中怪我もなく無事に結願できますように』と、思いのこもったお接待がとても嬉しかったのを覚えています」と和やかに振り返る。  

 お接待を頂いたら、お接待してくれた人たちの幸せを願いながら各霊場で般若心経を唱えるという近藤さん。「自分には何もお返しができないけれど、せめてもの感謝の形として自分ができることをやりたいんです」と話してくれた。  

 「すれ違う時に挨拶をしてくれたり、『頑張ってください』と声をかけられるだけでも嬉しかったし、それもお接待の一つだと思います。道中で頂くいくつもの温かいお接待のおかげで無事に結願できました」と最後まで感謝を口にしていた。

お遍路-近藤さん

遍路道には倒木や石が落ちていたりするので、次のお遍路さんの為に余裕がある時は整備しながら歩くという。

文旦

道ゆく人からのお接待。瑞々しくて甘酸っぱい文旦は、近藤さんの心と身体を回復させ歩く活力に。

ポンカン

ひび割れが特徴のもっちりとした薄茶色の皮の中には、あっさりとした甘みの餡。蒸し立ての熱々の饅頭は格別の美味しさ。

お遍路-近藤さん

頂いた飴を頬張りながら一休み。飴は1粒で長く楽しめるので、もらって嬉しいお接待の一つだ。