土佐おたからレシピ「けんかもち」

今回の食材-サツマイモ

今回の食材/サツマイモ

(場所)香南市、大豊町、室戸市 (旬)9月〜11月

昔の物部村では旧8月に開催される「八幡様のお祭り」まで、サツマイモを収穫してはいけないという風習があり、お供えが終わってから、はじめてサツマイモを食べることができたそう。

田舎の畑で採れた 新鮮な2つの芋で作る 奥ものべ伝統のおやつ

口の中でふたつの芋が喧嘩することから、その名前がついたとされる香美市物部町に伝わる「けんかもち」。
蒸したサツマイモと里芋を潰して練り合わし、きな粉をまぶして作るこの餅は、旧物部村の行事食であると同時に、まだ砂糖が貴重だった時代、家庭で気軽に作れる“甘いおやつとして村民に親しまれてきたという背景を持つ。

サツマイモのホクホクとした食感に、里芋の粘りが加わった「ぬたっ」とした独特の食感が特徴で、口の中で、ふたつの芋の優しい甘みをそれぞれ感じることができる。

材料さえあれば、家庭でも簡単に作ることができるので、ぜひ皆さんのご家庭でも再現してみて欲しい。

けんかもち

けんかもち

▶︎用意するもの(2〜3人前)

サツマイモ・・・250g
里芋・・・250g
砂糖・・・75g
塩・・・1g
きな粉・・・適量

手順1/皮を剥いたサツマイモを水にさらし、あくを抜いたあと、8mmくらいの薄さに切る。里芋は皮を剥いて1.5cm角に切る。

手順2/蒸し器で切り分けたサツマイモと里芋を蒸す。サツマイモは約14分。 里芋は約20分が目安。

手順3/蒸し終わったものをすり鉢に入れ、砂糖と塩を加えて潰しながら混ぜる。細かく 潰せば成形しやすくなるが、少し粒が残っていても食感が豊かになり美味しい。 

手順4/俵型に成形して、きな粉をまぶして完成。はじめにまん丸の形を作ってから、 掌で転がすと綺麗な俵型になる。

ひとくちメモ

昔はどの家でも芋を育てていたので、収穫時期にけんかもちを食べるのが子どもたちの楽しみでした。当時のものに近い味を楽しみたい方は、お砂糖の量を減らしてみるのもおすすめです。またアレンジも豊富で、柚子皮のマーマレードなど、柑橘類を餡にしても美味しいですよ。

まだまだある!

【サツマイモのきんとん】

潰したサツマイモにバターを加えてきんとんにすることも可能。秋には栗も採れるので、栗の甘露煮を加えるのもおすすめ。

【里芋田楽】

多めに里芋を蒸しておいて、余った里芋に酢味噌を乗せて田楽に。仕上げにオーブントースターで軽く焼くと、香ばしさが増してより美味しくいただける。