和菓子を高知に根付かせたい
「変わらないものと変えるもののバランスを取りながら和菓子作りをしています」と話すのは「松鶴堂」の三代目・松岡幹幸さん。和菓子職人の道を志したきっかけとなった、京都の老舗京菓子司「末富」で5年間修行した後、地元である高知県に戻って3代目を継承。
伝統を重んじながらも新たな変化を加え、日本の四季を感じる繊細な作品を数多く手がけている。和菓子分野において後進県にあたる高知県で「和菓子がお酒文化と同じくらい根付き、贈り物の選択肢の1つになってほしい」と願う松岡さん。
和菓子を身近に感じてもらえたらと、地元の学校で和菓子の体験教室を主催したり、観光客や外国人が多く立ち寄るお寺の体験プランに参加するなど和菓子のPRに尽力する。
暖簾をくぐると和菓子のショーケースがあり、その横には喫茶スペース。訪れた人が気軽に和菓子を楽しめる場を作っている。
松鶴堂3代目/松岡幹幸さん
昭和29年から代々続く「松鶴堂」の三代目。京都の老舗で学んだ経験を生かした和菓子は、自然の情景・味覚とさまざまな表情を見せてくれる。
土佐の技を体験 ワカモノ副音声
体験者/つかはら夫婦(YouTube「つかはら夫婦」で検索!)
実際に和菓子作りを体験してみた!
今回は、老舗和菓子屋「松鶴堂」にて和菓子作りに挑戦。教えてくれたのは、「和菓子を身近に感じられるよう、体験を通して魅力を広めたい」と話す三代目の松岡幹幸さん。
京都の老舗京菓子司である「末富」での修行歴を持つ実力派の和菓子職人だ。そんな松岡さんのレクチャーのもと、「紅葉きんとん作り」を体験。道具は「きんとんぶるい」という濾し器。
「ゆっくりやると手の熱でお菓子が溶けてしまうので難しいけど、彩りがきれいで楽しい!」。
和菓子は四季に合わせて素材や色味が変わり、自身の手で作ることで、より趣深く感じられる。実際に自分で作ることにより、今まで知らなかった和菓子の新たな魅力を体感した。
素材となる餡を「きんとんぶるい」で漉していく。見た目や口当たりが変わるので一気に行うことが大切。
黄と紅の2種類の餡を漉し、出来上がったそぼろがこちら。色や素材は季節によって変わるのも魅力の一つ。
指の上で転がしながら、お箸でそぼろをつけていく。指の温度で餡が溶けるため、スピードが大事な作業。
完成した紅葉きんとんがこちら。黄と紅のそぼろが、深まる秋を感じさせてくれる。