田野町で生まれた スカッシュバレー
高知で盛んに行われているスカッシュバレーが、県内で生まれたローカル競技であることをご存知だろうか?遡ること1985年頃、スカッシュバレーは、ある教員のふとしたアイディアをきっかけに田野町で生まれた。発案者は、高知県の社会教育主事として田野町に赴任された浜田公さん。彼の任務は「スポーツ県宣言」をした高知県における生涯スポーツの普及だった。
ある日、そんな浜田さんの目に体育館の倉庫で破れたバレーボールが飛び込んできた。中からは黒いチューブが顔を覗かせている。触ってみると、思いのほか柔らかい。「これでバレーボールをしたら面白いのではないか。安全で気軽に誰でも楽しめるのではないか」。そんな直感に突き動かされ、その黒いボールを手に浜田さんは考えた。大切なのは皆が平等にプレーでき、生涯スポーツとして楽しめること。ネットは高さ2mのコンパクトなバトミントンコートを使えば、誰もがスパイクを打てる。1チームは3人制で、3人が必ず1回はボールに触ってから相手コートに返すルールにすれば、皆が参加できるではないか。そうして考案されたスポーツは「スカッとしてフレッシュになれる=スカッシュバレー」と命名。親しみやすいネーミングと共に、高知のローカル競技は生まれた。
みんなが 主役になれる バレーを合言葉に…
浜田さんの狙い通り、気軽にできるバレーボールとして、スカッシュバレーは県民に喜ばれた。当時盛んだったママさんバレーで、突き指に悩む主婦からも支持を集め県内へと普及。2002年には高知国体のデモンストレーションに採用、時を同じくしてスカッシュバレー連盟も発足するなど、一躍メジャー競技として県内で愛されるまでに。現在では、連盟主催の大会が年に5回、それとは別に各地域主催の大会も開催されており、高知県内のスカッシュバレー人口はおよそ2500人。小学校の授業にも取り入れられるなど、関係人口を増やしている。スカッシュバレーの醍醐味は何と言っても、年齢を超え、性別を超えて安全に楽しめるところ。それこそが、高知県が目指した生涯スポーツのかたち。
「運動が苦手でもできて、熱しやすくて冷めやすい高知県民でも続けられるスカッシュバレーなら、全国の人々にも楽しんでもらえるはず。このスポーツを全国へ広めたい」と、連盟の理事長を務める朝比奈智一さん。その言葉通り昨年、世界を目指すため「スカッシュバレー世界大会」を高知県で開催した。発案者の浜田さんは「いつでもどこでも気軽に誰でもできるスポーツ。れられるなど、関係人口を増やしている。スカッシュバレーの醍醐味は何と言っても、年齢を超え、性別を超えて安全に楽しめるところ。それこそが、高知県が目指した生涯スポーツのかたち。 「運動が苦手でもできて、熱しやすくて冷めやすい高知県民でも続けられるスカッシュバレーなら、全国の人々にも楽しんでもらえるはず。このスポーツを全国へ広めたい」と、連盟の理事長を務める朝比奈智一さん。その言葉通り昨年、世界を目指すため「スカッシュバレー世界大会」を高知県で開催した。発案者の浜田さんは「いつでもどこでも気軽に誰でもできるスポーツ。みんなが主役になれて、運動が苦手な子ども達も参加できる。スカッシュバレーをきっけにスポーツを好きになってもらいたい」とその可能性を語る。老いも若きも県民を夢中にさせるスカッシュバレーは、人と人との繋がりを大切にするあったかな県民性が育んだ、高知が誇るご当地スポーツだ。
【ご当地コラム ❹】高知で歴史を刻むサーフィン全国大会
日本で最も 伝統と権威ある サーフィン大会
高知の海はエキスパートからビギナーまで、様々なレベルのサーファーが楽しめる波が点在するサーフスポットの宝庫。波を求めて移動するサーファーにとって、最高のサーフトリップの目的地だ。その価値を裏付けるのが、ここ高知県で開催されている「全日本サーフィン選手権大会」ではないだろうか。日本サーフィン連盟の関係者に、「日本で最も伝統と権威あるサーフィン大会として、50年以上の歴史を持つ同大会を開催するに最も相応しい地である」と言わしめる。「東洋町の生見サーフィンビーチは、四国はもとより関西圏のサーファーにとって道場とも言えるほどレベルの高い選手が多く集います。実際、世界レベルの選手を数多く輩出した日本が誇るサーフスポットであり、サーフィンの技術を磨くにはうってつけの場所。全日本をはじめ、全国大会を開催するのに適した環境である」と。 全国70支部の予選を勝ち上がり同大会の本戦へ出場することは、それぞれの地域の代表として大会の歴史にその名を刻むこと。それは国内アマチュアサーファーにとって大きなステイタスに繋がる。県民にとっては慣れ親しんだ身近な海は、全国のサーファーにとって、憧れの聖地となっている。