高知の薬味の底力「ミョウガ」

キラリ、そして「ピリリ」と放つ存在感。高知の食文化に欠かせない、辛くて香り高い「薬味」の数々 歴史、産地、そしてその薬味を使った料理のことをもっと知りたくありませんか?

ふっくらした丸みと色鮮やかな紅色を帯びた高知県産ミョウガ。夏と秋の収穫シーズンには、鮮度を落とさないよう手早く出荷作業が行われる。

高知県民の 好みを映す薬味界の王様

高知県が生産量・シェア率共に全国1位を誇るミョウガは、まさに高知の薬味文化を象徴する食材。シャキシャキとした食感に加え、鼻を抜ける独特の香りとほのかな辛味が特徴で、香り豊かな食材を好む高知県民にとって、替えが利かない薬味の一つだ。高知の郷土料理で山の幸やこんにゃくなどを寿司のネタに見立てて作られた田舎寿司や、鰹のタタキの薬味などに用いられ、近年は出荷量の増加に伴い全国でも高知のミョウガを楽しめる機会が増えているという。古くから高知に根付く”香る食文化”の魅力を全国に広める役割も果たしている。

栽培方法は門外不出! 日本一のミョウガ作り

「ミョウガの栽培方法はトップシークレットなんです」と話すのは、須崎市でミョウガ農家を営む嶋﨑さん。実は、高知県内で行われているミョウガ栽培の多くは、高知県独自の栽培方法によるもの。栽培に関する情報は徹底管理され、IoP(※)を活用した最先端のミョウガ栽培が展開されている。「特に、食べた時のみずみずしさは高知県産に勝るものは無い」と自信を持って語る嶋﨑さん。農家の方々がプライドを持って栽培に取り組んでいることも、高知のミョウガが日本一である理由のひとつだ。

※IoP(Internet of Plants) 施設園芸の生産現場の環境情報に加えて、植物の生育情報や収量、収穫時期や農作業などの情報を「見える化」する取り組み。