キラリ、そして「ピリリ」と放つ存在感。高知の食文化に欠かせない、辛くて香り高い「薬味」の数々 歴史、産地、そしてその薬味を使った料理のことをもっと知りたくありませんか?
汗見川地区で栽培される赤しそは、葉の表が緑色で、裏が赤紫色の「裏赤しそ」と呼ばれる品種。独特の爽やかな香りが強いのが特徴。
本山町の山里で育つ 爽やかな赤いしそ
独特の爽やかな風味を持ち、古くから日本料理の脇役として親しまれてきた「しそ」。「青しそ」と「赤しそ」の2種類あるが、今回紹介するのは本山町汗見川(あせみかわ)地区の赤しそ。汗見川地区と赤しその関わりは古く、昔から家の庭先などで栽培されていた。特に近年は搾汁を使った加工品が人気を集め、出荷時期(7〜8月)に生産者総出で行われる搾汁作業は、地域の文化を映す夏の風物詩にもなっている。
30年の時を経て 庭先のしそが名産に
汗見川地区と赤しその関係が深まったのは今から約30年前。現在の人気商品「しそごこち(しそジュース)」の原型を、地元女性らが「汗見川マラソン」のランナーのために作ったことがきっかけだ。本格的に栽培が行われるようになったのもこの時期からで、以降も若者の地域離れや住民の高齢化が進む中、地元住民らがそのレシピを継承・改良し、近年は地域の加工会社とも協力して全国へと発信している。長年、汗見川地区の地域活性化に従事してきた山下さんは「汗見川のしそは多くの人がつないできた地域の大切な宝。高知の新たな名産を目指していきたい」と今後にかける熱い思いを語ってくれた。