駅近くの「待ち」喫茶

駅近くの「待ち」喫茶

列車を待つ時間も、喫茶店に入れば、旅のひと時になる。その街ならではの喫茶店の「待ち時間」は、どんなふうに流れているのだろう。

窪川らしいお接待とおせっかいはやっぱり老舗喫茶にも

珈琲館 どなあ (昭和55年創業) JR窪川駅から徒歩2分

窪川駅から歩いてすぐの街角にある「どなあ」。本格的な自家焙煎のコーヒーはもちろん、店主・浜口さんの気さくな人柄でも愛されている。

鉄道やバスの待ち時間に訪れる観光客も多く、そんなときは浜口さん自ら観光案内をしたり、お店で荷物を預かったり。深夜バスまでの時間をもてあましていたお客さんを誘って、一緒に夕食を楽しんだこともあるそう。

「窪川のお接待文化が、自分にも根付いているんでしょうね」と笑顔で話してくれた。 

出発までの豊かな時間 コーヒーと笑い声とともに

喫茶 みつや (昭和32年創業) JR須崎駅から徒歩5分

「私がこの店を継いだ昭和60年頃、街には映画館や喫茶店がたくさんあって、駅前も人通りが多かったですね」と振り返るのは、「みつや」の店主・高橋さん。

当時の店内には、鉄道を待つ人はもちろん、港町である須崎らしく、近隣の港から巡航船で来たお客さんの姿も多かったそう。出発までのひと時を過ごす、にぎやかな笑い声であふれていたという。

そんな昭和の時代も感じられるレトロな雰囲気を求め、現在は観光客も「みつや」に足を運んでいる。 

①珈琲館どなあ(四万十町)
いつも笑顔の店主は友達づくりの達人!

店主の浜口さんは、訪れた人と仲良くなるのが大得意。龍馬マラソン参加後に四万十町を観光していた大学生と意気投合し、翌年の龍馬マラソンの応援に行ったり、卒業、就職など嬉しい報告を受ける親しい間柄になったことも。「彼女と一緒に来てくれたこともありました」と嬉しそうに振り返る。一期一会を大切にしている浜口さんのスタンスが、性別・年齢の垣根を超えた交友を作り出している。

喫茶 みつや(須崎市)
港町ならではの元気なお客さん

 昔は、須崎市内と野見湾地域を結ぶ巡航船があり、それに乗って来た人や、買い物客、娯楽を楽しむ人々で、商店街は大いに賑わっていたという。「みつや」にも、巡航船を待つ漁師たちがお昼を食べに度々やって来たそうで、漁師の声はとても威勢がよく、厨房にいた高橋さんの耳にも届くほど。人の流れは穏やかになったが、今でも時おりやって来る漁師の元気な声を聞いて、かつてのにぎわいを思い出すことがあるそうだ。