土佐に集まる妖怪たち さて、その目的は…
「土佐お化け草紙」は、高知に伝わる妖怪絵巻。もとは江戸時代に、土佐藩の家老だった佐川の深尾家に伝えられた物とされる。
収録されている妖怪は18種で、巻頭に妖怪たちが黒髪山から土佐の国に集まってきた場面があり、最後は夜が明けて退散する場面で終わる。収録された妖怪の中には、現高知市薊野(あぞうの)に出た「怪火(けちび)」や、現高知市潮江(うしおえ)に住んでいたという「骨なし女」、土佐の山中で多くの人が見たという「山父(やまちち)」など、土佐ゆかりの妖怪も含まれている。巻末には「土佐お化け草紙(幼君夜伽用)」と記されており、子どもに読み聞かせていたのではないかといわれている。
さて、妖怪たちはなぜ土佐に集まってきたのか? 現代でそのようなことがあるとすれば、気になる催し事を見に来るためだったりして…。
【お知らせ】
高知県立歴史民俗資料館の企画展に 「土佐お化け草紙」を展示。
日時/令和7年7月4日(金)〜9月7日(日)
参考文献:妖怪百物語絵巻(湯本豪一 編著)