ベリー作りのパイオニアが育てる黒く輝く「ブラックベリー」
アメリカ原産のブラックベリーは、その多くが植物品種保護(※PVP:品種開発に関わる知的財産権の一つ。 新たな品種を開発した者(育成者)が、その品種の種子や苗の販売などを独占できる権利)の種苗であり、全国でも栽培農家は非常に少ない。
そんな中「挑戦してみたい」という気持ちから、田村さんがブラックベリーの栽培を始めたのは10年前。「オセージ」、「カイオア」の2品種から栽培をスタートし、棚の作り方から育て方までを独学で研究したそう。
台風で枝が折れたり、木を枯らすコウモリガの被害を受けた年もあったが、佐川町の寒暖差のある気候はベリーの育成に適しており、初夏に真っ黒に熟れたブラックベリーは、本来の酸味の強い果物とは思えないほどの糖度を誇る。
現在は8品種を栽培しており、県外のベリー農家が定期的に見学に訪れるほど、見事なベリー農園が広がっている。
買える場所:安心堂、ふるさと納税
おすすめの食べ方:そのまま食べる場合は新鮮なうちに、ジャムや肉料理のソースにしても◎
憧れのイチゴ農家への夢を真っ赤な「ゆめのか」に乗せて
のどかな風景が広がる黒岩地区で、佐川町のブランドイチゴ「ゆめのか」を栽培する小松さん。
9年前に営業職を辞め、現在は奥様と二人三脚でイチゴを育てている。栽培は農薬を極力抑えた天敵農法が中心。また、ハウスに暖房を入れて熟させることの多いイチゴだが、「ゆめのか」はその土地の昼夜の寒暖差だけでじっくりと熟させて作るため、相当な手間がかかる。
小松さんは、イチゴの味・形・大きさなどが栽培方法でどう変化するかをノートに細かく記録しているそうで、「イチゴは手間をかければ、その分返ってくる素直な果物です」と話す。積み重ねてきた地域のブランドを傷つけるようなイチゴは絶対作らない。
そんなプライドを持って栽培に当たっている。
濃厚な甘さと果汁が広がるジューシーさが特徴の「ゆめのか」。名前には『夢のかなうおいしいイチゴ』という意味が込められている。
買える場所:「まきのさんの道の駅・佐川」
おすすめの食べ方:へたをつけたまま冷蔵庫で保存し、食べる直前に優しく水洗い!
佐川町で長年愛されてきた「もぎたてリンゴ」の魅力
昭和62年。両親がやっと収穫したリンゴを市場に持っていくと、東北から届いたきれいなリンゴが並んでいて全く相手にしてもらえず持って帰ってきた。
「それならもぎたてを味わってもらおう」と始まったのが、こちらの土本観光果樹園。「実と皮の間が一番糖度の高い部分。丸かじりがおいしいのには理由があるんです」と話すのは2代目の土本誠さん。リンゴに大事なのは土壌。有機肥料や、ミネラルにこだわった堆肥を使い、その場で食べられる安心・安全なリンゴ作りにこだわってきた。
開園から38年。現在、果樹園では20品種ものリンゴが育てられるようになり、お客さんの好みに合わせて、土本さん自らおすすめのリンゴを紹介しているそうだ。