約300種類の和菓子を手がける土佐の匠
植物学者・牧野富太郎の愛した「百合羊羹」を先代から引き継ぎ、今なお提供している「福留菊水堂」の二代目・福留章夫さん。
「四季の場面ごとに切り取った景色を作れるのも魅力の一つ」と話す章夫さんが手がける和菓子は、創意工夫が凝らされ、どれも四季の移ろいが感じられる。
今まで作った和菓子の種類は約300種類にのぼり、平成27年には「土佐の匠」に認定。それでも、決して奢ることなく、作り手の思いが味や舌触りに大きく影響すると「笑顔」で作ることを最優先する。
「和菓子は人を穏やかな気持ちにしてくれます。お子さんから大人までもっとたくさんの人に、和菓子を自ら作って、知って、食べてほしいです」、と頬を緩ませる。
茶事に合わせた趣向の和菓子を手がけるだけでなく、地元の学校へ体験教室の講師として赴き、和菓子の魅力を子ども達へ広めることにも尽力している。
福留菊水堂2代目/福留章夫さん
父である初代の栄さんが、高知市の枡形にあった菊水堂で修行後、名を受け継ぎ、昭和26年に福留菊水堂を創業。