世界一薄い和紙、伝統から革新へ
機械漉き和紙メーカーとして躍進を続ける「ひだか和紙」。その5代目社長を務める鎮西寛旨さんは、和紙の新たなニーズを開拓し続けるパイオニアだ。
「伝統工芸は世の中に『いらない』と認識されるほど廃れますが、逆に『いる』と認識してもらえる世界があれば輝けます」と話す鎮西さん。
現在、世界のあらゆる文化財修復現場で活用されている同社の『世界一薄い和紙』も、鎮西さんが文化財の学会に出展したことがきっかけで、その透過性と柔軟性が知れわたることになったという。
「薄さを安定させる機械漉きならではの技術。今後もさまざまなニーズや時代に対応できるよう進化を続けたい」と力強く語った。
脆弱化が進んだ文化財を極薄の和紙(典具貼紙)で挟むように保護。文化財本来の雰囲気を邪魔しない透過性の高さに驚く。
ひだか和紙有限会社/鎮西寛旨さん
5代目社長として機械漉き和紙の販路を開拓。海外留学の経験もあり、海外取引先とのやりとりなどは全て本人が担当。