ハンターくんが、高知県の不思議な自然博物を探検! 相棒はカワウソのオッター。
今月の調査は… 香南市「大蛇藤」に行く!
「大蛇がすむ」という伝説に、 奥深い秘境へと誘われる香南市舞川地区。 その化身とされる藤の花は、まさに圧巻の姿だ。
花の見頃は、例年4月下旬から。ゴールデンウィークに満開になるとされる。今年は花の多い表年と予想されているので、大蛇探しに出かけてみては?
滝壺には大蛇がすんでいた? 今では大きな藤に姿を変え人々を魅了
今回のミステリーは「大蛇藤」の異名をもつ、香南市香我美町の山深い場所、舞川地区にある藤の木。
香我美町の最北に位置し、進んで行くほどに道が険しく、電波も届かなくなる。それがかえって秘境好きの心をつかみ、ひそかな人気スポットとして知られる場所。
そんな舞川の滝つぼの奥には、大蛇がすんでいるという伝説が言い伝えられてきた。過去には、何人もの人が潜って確かめようとしたものの、誰もその姿を見たことはないという。その伝説の謎を解明すべくハンターくんは現地を訪れた。
伝説の残る舞川のほとりには幹回りが1mにもなる大きな藤の木が生えており、あたりに群生する高さ15mの杉の木に蛇のようにグルグルと巻きつきながら伸びている。その樹齢300年以上。そ の様子から「大蛇藤」と呼ばれるように。
案内してくれたのは、幼少期から舞川地区に住み続け、84歳の今でも現役で活躍する小松さん。「藤の花の房が集まって大蛇の鱗のようにも見えるでしょう。大蛇藤の花の特徴は、一つ一つの房がとても大きいこと。周りにも同じような高さの杉の木があるので、開花時期にならないと見つけにくいですが、花が咲くと遠くからでもわかる存在感が出て圧倒されるんです」と誇らしげに話す。
木のすぐ近くの橋まで歩いてきたハンターくんは、芳しい香りを漂わせながら咲く高貴な花の美しさと、大蛇のように絡みついて杉をぎゅ〜っと締め付ける藤のおっかなさに尻込みし、これ以上の詮索を断念。舞川を守る大蛇の化身のようなその存在感に、すっかり圧倒されてしまった。
藤の近くには「鬼の家」と呼ばれるかつての商店の跡があり目印にもなっている。
大蛇藤以外にも山藤がたくさん生えていて、 アーチのようになっているところも。
大蛇がすむという伝説を持つ舞川の滝つぼの様子。
地域に生きる 自然フシギ発見
「天神の大杉 」●てんじんのおおすぎ
香我美町の陸上自衛隊高知駐 屯地の近くにある天満宮。こちらの境内には樹齢約850年、樹高55m、幹囲9.8mにもなる大きな 杉の木が立っていて地元のパワースポットとして崇められている。過去に2回火事に見舞われ たこともあったが、今でも元気な 姿でいるのは、きっと天神様に守られているからと思えてなら ない。
辺り一面が緑色の苔で覆われ、その中に静かに佇む杉はアニメのワンシーンを彷彿とさせる神秘的な雰囲気を放っている。今では香南市のサイクリングコースの立ち寄りスポットとしても人気。