村上さんにとって牧野さんとは?
時代の違いを超えて、現代に訴えかけてくる説得力がある。覇気に満ちた人。
歴史ロマンを駆り立てる 若き牧野富太郎の肖像
漫画家の村上もとかさんは、牧野博士が過ごした練馬区に仕事場があったこともあり、「牧野日本植物図鑑」を作画資料として使っていたほど、博士に親しみがあるという。初めて高知県立牧野植物園を訪れた際には、漫画家として心を打たれた瞬間もあった。
「壮年の牧野さんはとってもチャーミングな笑顔で幸せそうですが、その一方で、まだ若い頃、自由民権運動の仲間たちと一緒に撮られた牧野さんの写真を目にしたら、ハッと、侍の顔をしているなって。新しい時代を引っ張ってきた若者の一人だったんだ、あの笑顔になるまで、どれほどの苦労があったんだろう、と強く感じましたね」。
変革期の時代のエネルギーを一身に受け、それを植物研究に注ぎ込んだ牧野博士…。歴史物を描く漫画家として、そんな想像をかき立てられたという。今号の表紙を手掛けてくれた。