まんが王国 土佐「カツオとまんがの漁師町を訪ねて」

高知は、まんが文化が栄える王国! 実際に訪ねて、「まんが王国・土佐」を探してみよう! いろいろなところに、まんが文化の香りがする。 例えば、カツオを誇る漁師町にも…

漫画
(c)青柳プロダクション/小学館 まんが『土佐の一本釣り』/高知県香美市出身の漫画家、青柳裕介先生(あおやぎゆうすけ、1944〜2001)の代表作。昭和50年から「ビッグコミック」(小学館)にて掲載された、漁師町に生きるカツオ漁師の青年・純平と恋人・八千代の物語。映画化も実現し、「高知と言えばカツオ」というイメージのきっかけになった作品とされる。

カツオとまんがの漁師町を訪ねて

「父の作品は故郷が題材。生涯を通じて、高知でまんがを描き続けました」と話すのは、まんが『土佐の一本釣り』を描いた青柳裕介先生のご子息であり、自身も高知のまんが文化を盛り上げる吉村領さん。

「父の作風は自分が体験したものをフィクションとして描くスタイルだったんです。『土佐の一本釣り』も、連載前には実際に中土佐町の久礼に移り住み、地元の漁師たちと酒を酌み交わしながら、構想を練ったんですよ」と、先生の創作の原点を振り返る。

土佐一本釣り
(c)青柳プロダクション/小学館

「まんがを描きたい」という一心に駆られ、少年時代から夢を追い続けた青柳先生の『土佐の一本釣り』は、やがて一世を風靡(ふうび)。

土佐のカツオ漁師の人情味あふれる生き様をリアルに描いた物語は、日本全国のまんがファンはもちろん、何より地元住民から共感を集め、深く愛されるようになった。町は「カツオの町」として知られるようになり、『土佐の一本釣り』は今も、住民の誇りとして受け継がれている。

まちなみ

「『まんがを描きたい』という父の思いは、現在の地元漫画家や、漫画家を夢見る人たちにも変わらず宿っています。この町を歩いて、高知で脈々と受け継がれている、まんがへの思いを感じてみてほしい」と語ってくれた。

市場

日本酒

tawa

『土佐の一本釣り』を描いた大漁旗や、純平と八千代の名前を冠する津波避難タワーなど、町のさまざまなところに作品の足跡を見つけることができる。