Posted on 2014.03.24

対談

喫茶を支える女たちはと時計 南 繁美(84)×ブラッスリーカフェ 金尾 舞(30)

年代も育った場所も全く違う2人の唯一の共通点は、喫茶店・カフェを営む女性ということ。
お店のこと、高知のこと、コーヒーを飲みながらおしゃべりをはじめました。

お店をはじめるきっかけ

 はじめまして。私、こちらに来たかったんです。お客さまから「いや〜、古くからやってる店があるよ」って時々聞くんですよ。お店を始めるきっかけはどんなことだったんですか。

繁美 主人が新聞社に勤めていた時、よく喫茶店へ行っていて。1950年に結婚したのを機に、実家の荒物屋を改装して「ロマン」という喫茶店を始めました。私が22歳、主人は24歳。中村(現:四万十市)の一條神社のすぐ下でした。 


 すごい! もう60年以上になる。高知市に出て来られたのは? 

繁美 1970年ですね、娘と息子が高知市内の学校に進学したので。中村もだんだん喫茶店が増えて、店を改装するような時期になって。それで、家を売って出て来たがです。最初は菜園場に店を出して、北本町に移ってから「はと時計」にしました。あなたは? 

 私は4年前に夫の転勤で東京から高知に来ました。もともと器が好きで、自宅でテーブルコーディネートのレッスンをしていたんですが、その関係でカフェをやってみないかと誘われて。始めてちょうど半年くらいです。繁美さんは長くお店をされていて、様変わりしたと感じることはありますか。 

繁美 昔の喫茶は、芸術をやる方とか先生やお医者さんのサロンのような場所でしたね。でも、喫茶店=不良と思われていて、学生さんは来ましたけど、先生同伴じゃないと入れなかったです。店を始めた頃は、コーヒーが30円。お正月は行列ができて、大きなクーラーいっぱい作ったミックスジュースをどんどんグラスに注いでも間に合わない忙しさがありました。


 

看板メニュー


 お店ではどんなメニューが人気ですか? 

繁美 黒いパンのトーストにチーズをのせた「黒パン」。シロップも自家製のでずっと続けているし、一番売れてます。ホットサンドも人気。

 私のカフェも「パニーニ」というホットサンドを用意しています。昔も今も変わらないですね。 

繁美 この店に移って、家族連れもたくさんおいでてくれるようになりました。大学生や勤めはじめた若い人が、昔この席に座ってモーニングを食べたと懐かしんでくれます。

 私のカフェは転勤やお仕事で高知に来ている女性が多いですね。追手筋にあるので、観光の方もコーヒーを飲みに来てくださいます。

繁美 昔は、コーヒーをブラックで飲む人ってあんまりいなくて、お砂糖入れる人が多かったですよ。中村はモーニングのトーストの横にお砂糖がついてくる所で、甘いものが好きっていうんでしょうかね、バター塗って、その上にお砂糖をつけて食べるのが。 

 へえ〜、知りませんでした! そういえば、ヨーロッパも砂糖とバターを混ぜてパンに塗って食べますよ。おいしいですよね。


 

くつろぐ空間づくり


 両親の仕事の関係で、小さい頃ドイツとかウィーンに少し住んでいたんですけど、パリのカフェは最高でした。サンジェルマンのように何百年も続いているカフェがあって。高知にもオープンテラスの店ができると南国の風景にあうと思うんですけど。 

繁美 今は喫茶店に行くお客さんが減る一方、新しい喫茶店やレストランもできて、古い店はずいぶんなくなりましたね。

 でも最近は喫茶店やカフェ巡りをする若い人もいて、古い店を大事にしたいと思う人も多いと聞きました。こちらのお店の音楽、心地いいですね。 

繁美 中村の時はレコードでしたからね。当時はジャズもクラシックも耳新しくて、コーヒーの香りも相まって異次元の雰囲気でした。


 

苦労とやりがい

 私は飲食業をするのは初めてで、メニューを作って、原価計算して、高知の価格帯も知らないままで、大変さをひしひしと感じます。私のカフェはお昼時だけですけど、こちらは営業時間が長いですよね。

繁美 朝8時から夜10時まで店を開けるのは大変。息子が勤めだしたら主人と2人だけの小さなお店にしようと話していたけど、息子が戻ってきて、だんだん店が大きくなって。今はホールが50人、座敷が80人くらい入る店になりました。 

 わお! わたしのカフェの10倍ですね。どうしてお店を長く続けてこられたんでしょうか? 

繁美 私、どのお客さんも、全然知らない人にも「お母さん」と呼ばれるがね。

 繁美さんのお人柄ですね。 

繁美 たくさんの人に会えて、今も覚えてもらってるということが、ありがたいわね。 

 ステキですね。私はお友達もゼロのところから始めたので、お客さまが財産って感じています。お客さまの大事な時間を頂戴するので、来てよかったと思って頂けるように心がけています。


 

はちきんパワー

 引っ越してきた時には心細かったんですが、高知の女性は頼りがいがある姉御肌な方が多くって。あと、お酒が強い。初めて会った人でも「とりあえず返杯」って……。 

繁美 私もね、お酒は強いほうです。毎晩、ビールの中ジョッキ一杯飲むのがおいしいがですよ。

 私も高知に来てビールを飲めるようになりました。高知の女性は、子どもを産んで、育児をしながら働いている女性がすごく多いですよね。 

繁美 私なんかも「はちきん」ですから。

 かっこいい! そういう女性を尊敬するし、自分もそうでありたいなぁ。いつも育児で頑張ってるお母さんやOLさんが気分転換になるようなカフェにしていきたいなと思っています。

繁美 私も100歳まで店をやるきね! 

 


はと時計 モーニングやランチに加え宴会もできるオールマイティなお店。駐車スペースも広い。(高知市南ノ丸町8)
ブラッスリーカフェ 白を基調とした店内。コーヒーや軽食に加え、カラーセラピーも受けられます。(高知市追手筋1丁目7-9)
*ブラッスリーカフェは、2014年4月1日からお昼の営業をお休みしています。

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