Posted on 2013.12.24

アゲアゲ天国 Vol.5

つるかめ焼き

鶴は千年、亀は万年。
東京で鯛焼きが生まれた頃、
高知では鶴と亀の焼き菓子が人気を博した。
ご長寿が手焼きするつるかめ焼きは、 今も長蛇の列ができている。


 「昔は亀焼きと言うて、この葉山村に何軒もあった」。焼き手の武政秀さん(88)は大正生まれ。昭和初期に秀さんの父が焼き始め、戦後、母が引き継いだ。長男の秀さんは徴兵から戻り、魚の行商や母の食堂を手伝った。「昔は地相撲があったり、花火があったり。人がたくさん集まるところに売りに行きよった」。  
  鋳物の焼き型は、一本に鶴と亀がセットになっている。温めた型に油を引き、小麦粉と卵のタネと自家製のあんこを置く。その上にタネを被せて型を閉め、ガス台に置く。その数8本。順番にタネとあんこを入れ、並べ、途中でひっくり返してじっくり焼き、型を開くと、少し焦げた甘い匂いが漂う。    
 孫の松浦美鈴さん(26)は、手伝いながら声をかける。「小さい頃は、お餅やおまんじゅうも作っていて、地元では有名。お客さんが付いてくれちゅうよねえ、じいちゃん」。  
 この夏は体調を崩して休んでいたが、涼しくなり地元の小学校の運動会に出店した。すると、久しぶりのつるかめ焼きに行列ができた。「ようけ買うてすまんのう。高知市内におる子どもが買うちょってと言うき」と、おばあさんは20個注文。「私はね、鶴が好き。最初に羽根の小麦を味わってから、あんこを食べる」「私は亀よ。あんこがおいしい」「だいたい鶴か亀かでケンカになるがよね」——甘い匂いを楽しみながら、並ぶ客同士の会話が生まれる。武政さんは、津野町のイベントや「風車の駅」で不定期に出店している。

空白区切り



裏面もしっかり絵柄がある。芸が細かい!

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