Posted on 2013.06.24

とさ印 その参

北村染工場の
『土佐にわか手ぬぐい』

なりきり小道具

 この手ぬぐい、色はシックだけど、歌舞伎のような顔立ちなので、舞台映えしそう。男と女のバージョン2つあると楽しく使えるんじゃないかな、ほら、こんなふうに。
 広げて見ても味があるけど、頭に巻いた途端、自分すら知らなかった内なるキャラが湧き出てくる! 
巻き方によって喜怒哀楽いろんな表情がつくれそうだから、巻きの角度がぴったりはまれば、ウケルろうね。
 調べてみると、制作しているのは明治元年創業の老舗の染工場。
節句やよさこいを彩る土佐のフラフづくりの名人・北村文和さんが発案したホンモノの染めによる手ぬぐいだ。
 飾ってもよし、使ってもよし。土佐人の陽気さをお土産にするのもえいと思う。

愛用者 谷相裕一さん(劇団TRY-ANGLE 共同代表)


北村染工場
〒780-0822 高知県高知市はりまや町2丁目6−7‎
TEL:088-882-7216

 




Mr.Taniai 妄想ストーリー♥
「手ぬぐいは突然に」

男はおもむろに私に何かを被せてきた。
突然目の前が真っ暗になった私は、狼狽しながらもそれを悟られないように気丈に振る舞う。

「おい、なんだこれ?」 みんなが笑ってる? お日様も?
まさか、そんな日本が誇る長寿アニメみたいな展開になるわけなどないと思いつつも、
頭をフル回転させなが ら考えてみた。何故みんな笑っているんだ?

私は一体何を被せられたのか?

いや、まてよ……
被せられたというよりは頭の後ろで縛られている感覚。
そうか、大きめの布で目隠しをされたのか。

という事は、少なくとも無地のタオルのような類ではないのだろう。
普通に目隠しをされただけでここまで大きな笑い声が生まれるというのは考えにくい。
だとすれば、目隠しをする事で変顔になるような絵が描かれているに違いない。
そう考えると後は簡単だ。

そう! まるで福笑いのような変な目の絵だ。
それ以外には考えられない!
急いで目隠しを取る……なんだこれは?
目だけではない。鼻や頭部まで描かれた……手拭いか?
きっと、それをサラシのように胸に巻いて腹踊りでもすれば大爆笑間違いなしだろう。

よく見ると、意外とイケメンだ。
私の顔がイケメンになったから笑ったのか?
実は横にいたS子も同じような手拭いで目隠しをされていたのにかかわらず、
そちらはさほど笑いが起きた訳ではなかった。

私だけ、なぜ?

それは、S子が巻くと手拭いがかなり余るのに対し、私の方の手拭いはまるで測ったかのように、
私の顔にジャストフィットしていたのだ。
さらに驚くべきなのは、私は目隠しをされると本能的に動きがオネエっぽくなってしまうらしい。
その二つが織りなすハーモニーが相まって何とも言えない趣が生まれたのだろう。

なんにせよ、すべらなくて良かったが、
自分の中の何かがゆっくりと行ってはいけない方向に進み出そうとするのを感じた。
そんな自分の運命を受け入れるかのように、私は小顔エステに電話するのであった。


(谷相裕一)

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