Posted on 2017.09.19

特集 2

すし自慢 VS.6



多様な魚が揚がる高知県では、姿ずしや酢飯のだしに魚が欠かせない。
さらに、小魚などをすり身にして作るかまぼこやてんぷらも日常食。
そんな魚大好き高知県人は、すり身で巻いたおすしを考案した。


 

 

すり身巻き ピンク【四万十市】


すり身巻き ピンク

芝岡博史さん

 四万十市中村には、思わず目を疑うほど鮮やかなピンクの巻きずしがある。正月の豪華な皿鉢で、異彩を放っている。
 1973年にドライブインと宴会場としてスタートした、いこい。次第に、皿鉢やおすしの注文が増えたため30年ほど前に仕出しに転換した。
 2代目の芝岡博史さん(45)によると、中村ではお祝いや法事のお返しにおすしを配る習慣があった。「姿ずしに、海苔巻き、玉子巻き、黒昆布なんかは色あいが暗い。ハレの日には華やかさが大事、と母がピンクの巻きずしを考案したんです」。地元のかまぼこ屋に依頼し、高知ならではのかまぼこ「すまき」に使われるピンク色のすり身を海苔のように薄くのばした通称「ゆば」で酢飯をくるっと巻く。
 華やかさがウケて定番となり早30年。産直に置くおすしの盛り合わせにも入れる。「ピンクの二重巻きも※しようがです。玉子、ニンジン、カンピョウなど海苔巻きの具材と、海苔も少し巻き込むと模様と食感が出ていい」。数あるおすしの盛り合わせの中で、ピンク色の巻きずしはいこい印。配達を待ちわびるお客さんが増えている。


いこい惣菜部(四万十市楠島1786) 0880-37-5775
いこいのすり身巻きは、サンリバー四万十、道の駅ビオスおおがたなどで販売。

 

すりみ巻き 大葉・かつお・えび【香南市】


すりみ巻き 大葉・かつお・えび

たつのや店主

 道の駅やすの産直で、午前中には売り切れる人気のおすしがあるという。見た目は、模様の入った白い巻きずし?!
 2年前に、たつのやを創業した店主(43)は、30代の頃、高知市の老舗かまぼこ店の惣菜部で働いていた。「特にちらしずしが人気で、店に並べるとすぐなくなる。かまぼこ屋ならではのおすしが作れないかとかねがね考えていたのです」。工場の手伝いに駆り出された時、※大丸(だいまる)に使う、薄くて四角いすり身を見て、閃(ひらめ)いた。
 さっそく赤と白のすり身に酢飯を巻いて、紅白のおすしを作った。「でもやっぱり、普段の食卓になじむ方がいい」。次は白いすり身をベースに、細く刻んだ大葉を混ぜて、薄くのばして蒸して、酢飯を巻いてみた。大葉の緑が鮮やかで風味があり、もちっとした食感の巻きずしができた。手作りのため量産ができず、販売はイベントなどに限ったが、並べると飛ぶように売れた。
 独立して、大葉の他、かつお節とえびの3色が定番商品となった。芯には、安芸市のジャコや、オイル漬けの焼きサンマなど、こだわりの具材を使う。「すり身の中に香りが保たれるので香南市のニラやユズの皮もいい」。すり身に込めた店主の創作は続く。

 


幡多弁講座※しよう:しているの幡多弁
※大丸:ゆで卵を包んだかまぼこ。お正月の皿鉢によく見かける。

 

 

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