Posted on 2017.09.19

特集 2

すし自慢 VS.2



豊かな宿毛湾を臨み、様々な漁業が発達した大月町。
ブリの回遊ルートと重なり、冬の寒ブリは絶品!
しかし豊漁が続くと大衆魚に成り下がり、「ブリ食わすぞ」という文句は泣く子を黙らせたほど。
そんな大月町には、贅沢なブリのすしが伝わっている。


 

 

へらずし古満目


へらずし

 大堂海岸沖に定置網を敷く古満目(こまめ)地区は、ブリの産地。その歴史は江戸時代後期頃からと古い。昭和40年代前半頃までブリの豊漁でにぎわい、刺身や塩焼きや煮付けなど普通の食べ方に飽きた漁師たちが考案したのが、「へらずし」。漁具の網を縫うのに使うへらや、曳縄(ひきあみ)漁の疑似餌(ぎじえ)へらに似ていたことが名前の由来と伝わる。
 大月町弘見の野中伸義さん(31)は、古満目の料理上手として名を馳せた筒井のおんちゃんのレシピを受け継いだ。「使うのは刺身に最適の一番脂がのった部位。3枚に下ろして、穀物酢、ゆの酢、直七(なおしち)の酢、ジャボというこの辺りで昔から採れる酢みかんを混ぜた酢で締めるき、風味は抜群」。レアに締められたブリに、少なめの酢飯。最後にふりかけたゴマが香ばしく、脂のり抜群のブリを上品に味わえる。


入船(大月町弘見2076-12) 0880-73-1326
へらずしは要予約

へだずし【柏島】


へだずし

左から、柏島城下町グループの中島栢子さん、 島本きみさん、浜野三代さん

左から、柏島城下町グループの中島栢子さん、 島本きみさん、浜野三代さん

 ダイバーの聖地として名高い柏島。湾にはマグロやタイの養殖用の小割(こわり)が丸や四角の模様を描いている。「※たっまぁ。ヘラじゃいうて。うちらはもっと前からやりよった」。柏島の島本きみさん(69)は語気を強める。
 明治時代に定置網漁が盛んに行われた柏島。ブリが定置に入ると、男衆は一番いい部分を刺身にして、尻尾の方をすしにした。「一番のごちそうは刺身やけん、尻尾の方の※へだをすしにしたがよ」。
 ブリの皮を少し残して身を開き、塩を振り、酢で締める。きみさんお気に入りの宿毛市山田の米を使った酢飯を詰めると、まるで家の屋根のよう。「この形やったら、ごはんもどっさり入る。男のすしやけん、ワサビを効かせて。背の雄節(おんぶし)、腹の雌節(めんぶし)、生が残っちょる早ずしがえいとか、酸(す)いががえいとか、酢の加減もそれぞれ好みがあるねぇ」。へだと言えども味は上等。今も祝い事や神祭の皿鉢のセンターに鎮座する。


お好み きみ(大月町柏島149-2) 0880-76-0453
へだずしは要予約。11月〜2月頃までは城下町グループが毎週日曜日にサニーマートで販売する。(第1・宿毛、第2、第4・四万十、第3・土佐清水)

 


土佐弁講座※たっまぁ:なんとまあ   ※へだ:端っこ

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