Posted on 2013.03.24

アゲアゲ天国 Vol.2

灘のたこ焼き

祭りのたこ焼。お城のたこ焼。夜の街のたこ焼。
揚げたこ、マヨたこ。明石焼。
世代を超えて愛されるたこ焼だが、店が閉店してなじみの味がなくなる中、
今なぜか、たこ焼屋が増えている町がある。



 海に突き出た小さな半島、黒潮町・灘。国道56号線沿いの店。お品書きは10個250円と15個350円の2つだけ。
 「どう?今日の波は」。なじみのサーファーから電話がかかってきた。おんちゃんは、たこ焼を転がしていた手を止め、店の前に出る。海を眺めて、空や風の様子など気象を教える。
 おんちゃんは灘で生まれた。父親も漁師だが、もっと広い海にあこがれ、中学を出て海技士免許を取り、20歳でマグロ漁船に乗った。はじめは炊事係として、70人近い船員の食事を作っていたが、船乗りの経験を積み航海士になった。GPSのない時代、太陽や星を頼りに船の位置を導き出した。26歳で船長になり、インド洋、南アフリカ沖、南オーストラリア近海へと数えきれない海を渡った。
 結婚して陸の仕事に切り替えた頃、実家の近くの国道沿いで、母がたこ焼店を開いた。大阪からたこ焼器をもらったのがきっかけだった。はじめは休みの日に手伝う程度だったのが、しだいに店に立つ日が増えていった。
 「おかあの味を変えるなよ」となじみの客が言う。店に立って37年、ずっと味は変えていない。ソースはブレンドしているが、それ以外は企業秘密らしい。「うかうかしとれんき、いんいん」とおんちゃんが笑う。灘のたこ焼は、まんまるで、ほんのり甘い。



 

→たこ焼はここで買える!!

掛川たこ焼店
高知県幡多郡黒潮町灘431-2


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