Posted on 2016.09.23

対談 若者の本音、言いたい放題!

20代のM・J・C

対談 若者の本音、言いたい放題!

ゆとり世代なのにゆとりがない?! 競争を好まず、消費も少なく、社会や大人と若者の感覚は離れるばかり? 「マンガ」 「女子」 「地域」をテーマに大人も参戦し、20代の関心、生態、本音に大接近!!

 


10代20代に絶大な人気の『食戟のソーマ』、30年以上究極と至高の料理で読者を魅了してきた『美味しんぼ』、その愛読者がマンガを語る。


鍋島 和彦さん (57歳 高知新聞社編集局)

鍋島 和彦さん (57歳 高知新聞社編集局)


友利 肇伸さん (20歳 高知工科大学3年生)

友利 肇伸さん (20歳 高知工科大学3年生)

 

どっちの料理マンガ?!

友利:僕らの年代の少年ジャンプは『ワンピース』や『NARUTO』などバトルマンガが人気。その中で食をテーマにガッツリバトルしてるのが『食戟のソーマ』。刺激的なのは、食べた瞬間、服が破けること。ピリッとした味なら激しくバチン、食材によってはヌメッ〜っとはだけるとか、食感をリアクションとして出してるんです。
鍋島:なんか、それって幼くない? 料理に「官能的」という表現を使ったのはたぶん『美味しんぼ』が初めて。それを絵で表現したのがソーマ。料理バトルマンガの元祖は少年ジャンプの『包丁人味平』だと思うけど、ソーマは踏襲してるだけじゃない? 
友利:いや、味平は一人で戦うけど、ソーマには仲間がいる。ソーマのように庶民がエリートの中で異端児として奮闘する姿は「僕もがんばらなきゃ」って思わされる。
鍋島:『美味しんぼ』は「子は親を超えられるのか?!」という永遠のテーマも描いている。それは『巨人の星』から続いていて、父親の大きな壁に挑んでいく、っていう設定の仕方はソーマとも共通しているよね。
友利:ソーマも親と対決して負けまくっている。でも、ソーマの親は昔風の熱血漢ではなく、風来坊で、猫のようなつかみどころのない性格。自分の親もこんなだったらいいのにという憧れもあるんですよ。それにしても、『美味しんぼ』は文字の羅列が多すぎ! 僕ら字を読まないんで、絵で表現してくれないと。ソーマは絵がきれいで、高揚感もある。
鍋島:まぁ確かに『美味しんぼ』はうんちくが長い……。それは、80年代、バブル期の前から始まって、食への関心が高まった時代背景がある。ソーマにはない、ふるさとの味とか、人の衣食住とか、捕鯨や原発など社会的なテーマへの広がりがあります。
友利:広がりすぎてついていけない。それじゃあバトルに集中できないじゃないですか。

 


『食戟のソーマ』『美味しんぼ』

『食戟のソーマ』Ⓒ附田祐斗・佐伯俊/集英社
大衆食堂の息子がエリート揃いの料理学校に入学して、料理対決を繰り広げる。
『美味しんぼ』Ⓒ雁屋哲・花咲アキラ/小学館
東西新聞記者の主人公が、料理評論家の父と、至高と究極の料理対決を繰り広げる。

 

食の世代ギャップ

鍋島:料理マンガが流行ってるわりには、今の若い人は食に関心がないって聞くけど、ほんと?
友利:僕らはお金的にも気持ち的にもいろんな面でゆとりがない。「食事は作業」という友達もいるくらい。僕は自分のふるさと沖縄のラフテーは手作りしますし、自炊派です。ソーマにスパイスを得意とするキャラが出たら「香りって大事かも」と思うし、一度はルーを使わず粉からカレーを作ってみたいとも思う。
鍋島:『美味しんぼ』にもソウルフードの物語があって、高知出身のおじさんが「これが土佐の味」って感傷にふけるシーンがある。僕は土佐清水の生まれなので、子どもの頃、ジャコを炊いたものをよく食べたんだけど、半年ほど海外で暮らしていた20代の時、ヒマラヤの麓で食べたカツオだしのうどんは今でも忘れられない。舌にしみついてるんですよ、ふるさとの味って。
友利:沖縄料理は豚肉をよく使うんですが、高知は沖縄に比べて豚肉が高いから手が出ない。でも野菜が安いんで助かってますけど。買い物は近所の毎日屋とかエースワン。自分の生活をしゃべるの、なんか恥ずかしい。

 

マンガから人生を学ぶことも

鍋島:この頃、ドラマや映画を観て、原作のマンガを手に取ることが増えた。出版界を舞台にした『重版出来』もよかったし、『ちはやふる』なんて熱血スポーツものの形を踏襲していて興奮しましたね。
友利:マンガ選びは博打。表紙とタイトルと絵とあらすじを見て買っちゃう。
鍋島:マンガ喫茶で読んでから買った方がいいんじゃないの?
友利:いやいや、逆に失敗するのも楽しいですよ! 今はスマホでも読めるけど、やっぱりマンガは紙で読みたい。
鍋島:でも、電子書籍は画期的。まず場所をとらないし、絶版になった本まで読めてしまう。古いマンガは読む?手塚治虫とか。
友利:『ブラックジャック』は読みました。
鍋島:今のマンガの原型を作ったのが手塚さんだよね。『ジャングル大帝』なんてテーマも壮大。生きる指標が作品に詰まっている。
友利:僕にとってマンガは出合い。選び方は手当たり次第でも、そこから自分に取り込みたいものとか、目標が見つかる。マンガの名言を暗唱している友達もいますよ。
鍋島:やっぱり言葉でしょ! 主人公が放つ一言が心に残るし、マンガって繰り返し読みやすいから頭に入る。
友利:マンガは現実世界を忘れさせてくれる。テスト前は危険ですけどね。

 

 
 


仲間が大事? 自分が大事? 世代ごとの違いってなあに? おまちで育った女子が、遊び、恋愛、将来を語る。 


岩川 薫里さん  (22歳 高知県立大学4年生)

岩川 薫里さん (22歳 高知県立大学4年生)


加茂 加奈さん(43歳 松岡かまぼこ)

加茂 加奈さん(43歳 松岡かまぼこ)

移り気な女子の興味

薫里:私は※新堀小だったんですけど、やんちゃな子が多くて、なかなか自分を出すことができなくて。外で遊んだりもしたけど、基本はインドア派。リカちゃんやシルバニアファミリーのお人形で遊んだり、弟とスーファミしたりしてました。
加奈:あたしもリカちゃんもこえだちゃんもどっさりあったで。人形部屋があったきね。今は娘が同じで、家がトイザらス化しちゅう。他に、あたしの遊び場いうたら、高知城よ。昔は動物園があったき、サルを※てごうたり、シマウマにおしっこかけられたり。
薫里:私は中学からちょっとアクティブになってソフトテニス部。中3で英語スピーチ大会に出てからは海外に目が向いて、※高知商業の国際コースに進学したんです。生徒会執行部のラオス支援の活動に圧倒されて、自分も海外支援活動に熱中してました。加奈さん、部活は?
加奈:帰宅部よ。卒業アルバムの撮影の日だけ、茶道部やら吹奏楽部やらバスケやら、5つばぁ写りに行った。出たがり系やき、ほらぁ。高校の時は友達と週5でカラオケ、何時間も歌いよったで。
薫里:カラオケは私たちも大好き。あとはプリクラ撮ったり、マックでだべったり。でも、一人で行動するのも好き。自分の時間を割いてでも人のため役に立ちたいと思うし、その方が成長できる。周りから「意識高い系」って褒められます。
加奈:へぇ〜、おりこうさんやね。あたしは自分らぁが楽しいのが一番!

 


加奈さんはかまぼこ屋を舞台にマンガも描く。

乙女の恋模様

薫里:私、よくスタバに行くんです。客層が若いし、雰囲気もいいし、勉強もはかどる。「俺、あの子が好きながやけど……」みたいな人の恋バナを聞いて、心の中で「きゃー!」って叫んでる。
加奈:あたしは※ぎっちり合コン行きよったで。もちろん盛り上げ役。
薫里:私も出会いがほしいんで、県主催の婚活パーティに申し込んだし、ふらっと一人でBARにも行ってみたい。
加奈: 20代の頃は友達と部屋をシェアして、毎晩ぎっちり飲み歩きよった。でも0時過ぎたらお母さんがホウキ持って待ちゆうわけよ。20歳まで自由にさせてくれよったのに、20歳過ぎたら厳しくするがはおかしくない?で、30歳の時はいきなり「明日、見合いやき」って。相手は40歳。10も上の人ら無理、無理! 嫌われちゃおと思うて、角刈りにして行った。ほいたら超男前やってよ!! 次の日に桂浜でデートして、1か月後に入籍。
薫里:早っ!

 


日本文化プレゼンコンテストに出場した岩川さん。

女子目線のまちづくり

薫里:私たちの世代って、上の世代と違う意味で〝ステータス〟を促えてる。最近はりまや町にパンケーキ屋さんができて、いかに※インスタ映えする写真を撮るのかが女子のステータス。
加奈:あたしのステータスは、おいしいもの。あたしのFacebook見てみ? 恨まれるばぁ食べものに埋め尽くされちゅう。
薫里:かまぼこ屋さんならではですね。私も貪欲になろうかな。
加奈:やめちょき、肥えるで。ぎっちり美味しいもんばっかり食べゆうき結婚して20 kg肥えたし、何もいいことないきね。
薫里:ステータスって英語で「地位」のこと。そういう意味では、他の商店街に比べて帯屋町もステータス高くないですか? 特に目的がなくても人が集まってくるし、商店街にゴザ敷いて「おきゃく」やってるし。外国人にも超ウケそう!
加奈:言葉は通じんでも、「ハッピー」と「ラッキー」と「イェーイ」だけで心は通じるきね。
薫里:あと、子どもも参加できるようにして、ジュース片手に高知愛を語ってほしい。
加奈:リカちゃんやシルバニアとか好きなものを置いて、おもちゃ王国みたいのがど真ん中にできたら最高よね。ほんで、自分はどうするの、将来?
薫里:将来は海外で働くのが夢。まず高知で働きながら、数年後に海外勤務できる会社に内定もらったところです。

 


※新堀小:高知市立新堀小学校  ※高知商業:高知市立高知商業高等学校  
※インスタ:
Instagramのこと      
土佐弁講座:※てがう:
からかう、ちょっかいを出す​  ※ぎっちり:繰り返し、何度も


 

 
 


育った地域に残るのか、出るのか、難しい選択に一度は迷うもの。高知県の中山間地域・嶺北で働く20代に、仕事や暮らし、地域の未来を聞いた。


大久保 凌兵さん (21歳 畜産農家)

大久保 凌兵さん (21歳 畜産農家)


矢野 大地さん  (25歳 NPO法人ONEれいほく代表)

矢野 大地さん (25歳 NPO法人ONEれいほく代表)

仕事は継ぐもの? 創るもの?

大久保:僕の家は代々牛を飼っていて、大人になったら牛の仕事するんやなーと思ってた。両親は勤めに出ているので、81歳のおじいちゃんと2人で牛を21頭飼ってます。
矢野:僕は教師になろうと思って京都から高知大学に進学したけど、東日本大震災のボランティアに行ったのがきっかけで地域に関わりだした。何か好きなものがあって地域に残っている人はいいけど、今は地域で若者が生きていくのって難しい時代じゃない?
大久保:確かに友達も出て行く方が多い。でも、よそから移ってきて、どうやって食ってるんですか?
矢野:卒業してからはフリーランスのライター。本山に住みだして、「人を連れてきて」と頼まれることが多くなって、NPOを立ち上げた。碁石茶の生産とか汗見川清流館の仕事とか行政からの委託事業が決まって、高知の平均的な初任給くらいはもらってるよ。
大久保:今、赤牛が高騰していて、肉牛は1頭120万の値が付く。でも、経営主の視点から見ると、飼育のコストを下げないといけない。飲み会代以外は全部牛の導入と経営に回して、後から自分に入ってくると信じて先行投資の毎日。

 


ひょろってた高校時代の大久保くん。

地域で生活することとは

矢野:僕は山間部に来てたくましくなったと思う。イノシシとかシカの肉とか食べるようになったし、あげく第一種猟銃免許まで取ってしまった。
大久保:僕は高校の時まで細くてひょろってしてたけど、畜産を2年以上やってきて、もうゴリゴリ。毎日重いエサを運んだりしてるので、腕がぱんぱん。
矢野:1年ちょっとここに住んで、田舎の人って、今までやってきたことを変えることに腰が重いと思うんだよね。NPOを立ち上げたら「えぬちーおーってなに?」「何を売って儲けるが?」。地域に住んでいて僕のことを理解してくれる人はまだ1割くらい。「こうあるべき」という〝べき論〟を並べられて、遊びがない。
大久保:確かに頭が固い。僕は農業大学校で牛のエサの量など教えてもらったわけだけど、おじいちゃんは「これくらいの量をやらんといかん!」と昔のやり方を主張する。人の話を聞こうとしないし、僕の牛飼いとしてのビジョンを話しても、「ただの理屈や!」とつっぱねられる。昔と同じままだと20頭くらいから伸びない。僕は2倍3倍にしていきたい。
矢野:本山町の北山っていう山奥の空き家を借りてるけど、「畑しろ!」って。やんないと地元の者とは認めない。ニワトリも6羽飼ってるけど、毎日エサをやるのは大変。やっと最近、ありがたいことに、僕が留守の時は地元の人がエサをやってくれるようになってきた。

 


矢野くんは狩猟生活をはじめた。

出会いで広がる僕らの未来

大久保:僕は高校時代の彼女と付き合ってるけど、同世代はみんな「出会いがない」って言う。農業してると街にも飲みにいけないし。
矢野:僕はめっちゃ出会いがあるよ。月に100人くらいに会うし、全国からいろんな人が来て、女の子も多い。女の子の〝おひとりさま移住〟をサポートするのはどうかな。そしたら地元の若者とマッチングできる。
大久保:本山町って男性の初婚年齢が日本一若いらしいんです。けど、一生結婚しない人もいる。JAも農家も嫁募集してる人いっぱいいますよ。矢野さんは?
矢野:人のことはよくわかるけど、自分のことは……。試しにブログに彼女ほしいって書いたら25人から連絡がきた。でも、ダメだった……。
大久保:同世代は出ていった人も多いけど、将来はもっと若者であふれた町になってほしい。そうしたら農業もれないし、若者らしい楽しい農業ができる地域になるんじゃないかな。
矢野:小さい地域だから変えられる可能性がある。嶺北はもっとコンパクトシティを目指して、牛を育ている人がエネルギーを自給できるとか、小さい集落の中に衣食住をまかなえる仕組みを若者が開拓したらいい。
大久保:地域のことを知ってる僕と、新しい考えを持ってる矢野さん、2つのグループで一緒に本山を盛り上げていけるんじゃないですかね。

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